近年、YouTubeやSNSを通じて株式情報が拡散されるケースが急増しています。「この株が上がる」と紹介された銘柄に、多くの個人投資家が殺到して株価が急騰することもあります。こうした現象に対し、「これは株価の違法操作では?」と感じる方も多いでしょう。本記事では、株式市場における違法な株価操作(いわゆる相場操縦)の定義と、YouTube等の情報発信がどこまで許されるのかについて詳しく解説します。
株価操作とは?金融商品取引法における定義
日本の金融商品取引法では、「相場操縦的行為」が禁止されています。これは市場の価格形成をゆがめるような行為であり、具体的には以下のような行為が該当します。
- 架空の売買をして出来高を演出する
- 同一人物が買いと売りを繰り返して価格を吊り上げる
- 誤解を与える情報を流して人為的に相場を誘導する
これらの行為は市場の公正性を損なうため、重い罰則が科されることがあります。
YouTubeで株を紹介する行為は違法になる?
YouTubeで特定の株を紹介するだけでは、必ずしも違法とは限りません。たとえば、「この企業は成長性が高いと思います」といった分析や見解を述べるのは、意見の表明に過ぎず合法です。
しかし、以下のような場合は違法行為に該当する恐れがあります。
- 自ら仕込んだ株を高値で売るために煽る(いわゆるポンプ・アンド・ダンプ)
- 虚偽や誇張した情報で視聴者を誘導する
- 裏で株価上昇を狙うグループが組織的に動画を制作する
このような意図的な操作や情報の非開示がある場合は、相場操縦とみなされる可能性があります。
実際に問題視された過去の事例
過去には、SNSや動画プラットフォームで紹介された銘柄に不自然な売買が集中し、証券取引等監視委員会(SESC)が調査を行ったケースもあります。特に、自ら保有していた銘柄を紹介し、値上がり後に売り抜ける行為が明らかになった事例では、刑事告発にまで発展しています。
このような事案は「情報発信の自由」と「市場の公正性」の境界線を問う重要な論点となっており、今後も規制の強化が議論される分野です。
投資家が注意すべきポイントとリスク
情報発信者が必ずしも悪意を持っているわけではなくても、視聴者が「煽られて買ってしまう」状況は十分に起こり得ます。特に、以下の点には注意が必要です。
- 動画で紹介された銘柄が、実際に割高かどうかを自分で判断できるか
- 情報の出所や根拠が明示されているか
- 過去の発信とパフォーマンスに一貫性があるか
また、投資判断を他人に丸投げするのではなく、必ず自分で調べて納得してから購入するよう心がけましょう。
まとめ:YouTubeの株情報は参考に、判断は自分で
YouTubeなどで紹介された株を多くの人が買った結果、株価が上がること自体は違法とは言えません。しかし、その背後に「意図的な価格操作」や「誤認を誘う情報」がある場合は、違法行為に問われる可能性があります。
視聴者・投資家としては、情報を鵜呑みにせず、発信者の意図や信頼性を冷静に見極め、自分で納得したうえで判断することが、長期的な資産形成において極めて重要です。

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