低金利時代において、借入金を繰上返済するべきか、それとも手元の資産を投資で運用すべきかという悩みは、多くの個人投資家に共通するテーマです。この記事では「1.75％・5年・200万円」のマイカーローンを契約中で、「150万円の投資信託を保有している方」が繰上返済を検討する際の判断材料を、金利・リターン・リスクの観点からわかりやすく解説します。
まずは繰上返済の基本的な考え方を押さえる
マイカーローンを繰上返済することで得られるメリットは、「将来支払うはずだった利息の軽減」です。しかし、金利が低い場合はそのメリットも限定的になります。たとえば、1.75％という低金利で借りているローンでは、繰上返済による利息削減効果はわずか数万円に留まることも多いです。
また、元利均等返済では、ローンの前半に多くの利息を払い終えているため、返済期間の後半で繰上返済しても、節約できる利息が少ないという特徴があります。
投資信託の期待リターンと比較して考える
一般的に、株式を中心としたインデックス型投資信託の平均的な年利リターンは4〜6％程度とされています。もし保有中の投資信託がこれに近いパフォーマンスを維持できるならば、ローン金利1.75％よりも大きなリターンが期待できる計算になります。
つまり、繰上返済せずに投資を続けることで、実質的に「お金を借りながら、より高い利回りで資産運用している」状態をつくることができるのです。
リスク許容度と生活の安定性も重要な判断軸
とはいえ、投資には元本割れのリスクが伴います。市場が急落した場合には、元本が目減りし、ローン残高を一括返済することが難しくなる可能性もあるでしょう。
一方、ローンを早期に返済してしまえば、心理的にも「借金がゼロになる安心感」が得られます。リスクを避けたい方や、投資の変動に一喜一憂したくない方にとっては、繰上返済も一つの選択肢として合理的です。
ケーススタディ：繰上返済 vs 投資信託の比較シミュレーション
例：マイカーローン残高120万円を3年後に一括返済する場合、利息軽減額は約3万円と仮定。一方、150万円の投資信託が年5％で運用できれば、3年で約23万円（複利ベース）の利益が期待できます。
→ この場合、投資信託を継続運用する方が資産効率としては高い結果となります。ただし、これは相場が順調に推移した場合の話であり、元本割れのリスクも含めて判断する必要があります。
バランスを取る選択肢：「一部繰上返済」という考え方
投資のリターンは魅力的だが、ローンを早く減らしたいという場合には、「一部繰上返済」も現実的な手段です。たとえば、投資信託の一部（50万円程度）を売却して繰上返済に充て、残りの100万円は運用を続けるといったハイブリッドな戦略も可能です。
これにより、利息の軽減とリスクの分散、運用利益の両立を目指すことができます。
まとめ：繰上返済か投資継続かは「目的とバランス」で決める
1.75％のマイカーローンは低金利であるため、繰上返済の利息メリットは限定的です。一方、投資信託は高リターンが期待できる反面、リスクも伴います。
総合的に見て、「投資にある程度慣れている」「長期保有を前提にできる」「急な資金需要がない」のであれば、繰上返済せずに運用を継続する方が合理的です。ただし、不安がある場合は「一部繰上返済」や「余剰資金を分けて管理する」など柔軟な戦略も検討しましょう。
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