株主優待や配当目的でクロス取引を検討する際、「貸株金利」や「信用貸株金利」といったワードに戸惑うことはありませんか?特に楽天証券を利用している場合、同じ“貸株”でも制度の意味や仕組みが異なり、誤解すると余計なコストやトラブルにつながる可能性も。本記事では、両者の違いを明確にしつつ、株主優待クロス取引における活用法と注意点をわかりやすく解説します。
貸株金利とは?現物株を証券会社に貸し出す制度
楽天証券の「貸株サービス」は、保有している現物株を楽天証券に貸し出すことで金利を得られる制度です。口座内で自動設定可能で、金利は銘柄ごとに異なります(例:0.10%〜15%以上も)。
この金利は「貸株金利」と呼ばれ、日数に応じて日割りで入金されます。ただし、株主優待や配当を希望する場合、「優待優先」「金利優先」「自動切替」の設定に注意が必要です。
信用貸株金利とは?信用取引の空売りで発生する費用
一方の「信用貸株金利」は、信用取引の空売りを行う際に発生する“逆日歩(品貸料)”の一種です。信用売り注文を出すと、証券会社が機関投資家や他の個人から株式を借りてきて、それを売却する仕組みになっています。
このとき、借りた株式の所有者へ支払われる金利が「信用貸株金利」であり、空売りを行った投資家が負担します。つまり、信用貸株金利=コストであり、貸株金利とは真逆の立ち位置になります。
株主優待クロス取引ではどちらが関係する?
株主優待クロス取引とは、現物買い+同銘柄の信用売りを同時に建てて、株価変動リスクなしに優待のみを狙う手法です。このときに利用するのが信用取引なので、信用貸株金利(=逆日歩)がコストとしてかかる可能性があります。
楽天証券では、一般信用取引(無期限/短期)を使えば「逆日歩(品貸料)」がかからないため、安心してクロス取引が行えます。ただし一般信用売り枠は限られているため、人気優待銘柄では争奪戦になります。
実際のコストを比較:貸株で得られる金利 vs 信用で払う金利
例:楽天証券でA銘柄を現物保有し貸株サービスに設定すると、年率0.5%の貸株金利が毎月自動で入金される。
一方、同銘柄を信用売りでクロスすると、一般信用取引であれば逆日歩なし。ただし制度信用取引を使うと、品貸料(=信用貸株金利)が日によって大きく発生するリスクあり(特に権利付き最終日)。
このように、貸株金利は“もらう側”、信用貸株金利は“払う側”として覚えると混同せずに済みます。
クロス取引を成功させるためのポイント
- 貸株サービスは「優待優先」に設定しておくと安心
- クロス取引には一般信用取引(楽天なら「いちにち信用」ではなく「無期限」や「短期」)を活用
- 制度信用売りは逆日歩の可能性が高く、避けるのが基本
- 貸株金利と信用貸株金利は正反対の仕組みなので混同に注意
まとめ:貸株と信用貸株の違いを理解して賢く使い分けよう
楽天証券における「貸株金利」は現物株を貸すことで得られるインカム、「信用貸株金利」は信用売り時に発生するコストであり、まったく性質が異なります。
特に株主優待クロス取引を行う際には、逆日歩リスクや一般信用枠の確保を意識し、計画的に制度を活用することが成功のカギになります。制度を理解し、コストを抑えて着実な優待獲得を目指しましょう。

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