ニュースや新聞で「赤字国債」という言葉を目にすることは多いものの、「黒字国債」という表現はあまり耳にしません。これは一体なぜなのでしょうか?実は、日本の国債制度には制度的な理由があり、「黒字国債」という用語自体が存在しないのです。この記事では、赤字国債と建設国債の違いやその背景、そしてなぜ“黒字国債”という言葉が使われないのかをわかりやすく解説します。
国債とは何か?基礎から理解しよう
国債とは、国が資金を調達するために発行する債券です。企業が資金調達のために社債を発行するのと同様に、国も借金をする手段として国債を発行しています。国民からの預貯金や投資を通じて購入されることで、国家予算を補う役割を果たしています。
日本では、財政法第4条により原則として国債の発行は禁止されていますが、公共事業など将来的な資産になる支出に関しては例外的に許可されています。
赤字国債と建設国債の違い
赤字国債とは、国の歳出(支出)が歳入(税収など)を上回る際に、その差額を埋めるために発行される国債です。正式には「特例国債」と呼ばれ、臨時的な法律(特例公債法)に基づいて発行されます。
一方、建設国債は、道路や学校、病院など公共インフラの整備に使われるもので、将来的に国民全体に利益をもたらす支出に限定されています。財政法ではこちらのみ恒常的に許可されています。
なぜ「黒字国債」という言葉は存在しないのか
「黒字国債」という言葉が使われない理由は明快です。黒字、つまり国家予算が余っている場合には、そもそも借金(=国債)をする必要がないからです。国債はあくまで不足する財源を補うために発行されるため、黒字のときには発行する必然性がありません。
つまり「黒字国債」は概念上矛盾しており、制度としても存在しないのです。
赤字国債が増えるとどうなる?将来への影響
赤字国債の発行が続くと、国の借金は年々増加します。日本は現在、GDPの2倍以上の公的債務を抱えており、財政健全化が大きな課題です。将来的に金利が上昇した場合、利払い負担が増し、他の予算にしわ寄せが出るリスクもあります。
そのため、赤字国債の発行には慎重さが求められており、政治や経済政策とも密接に関わっています。
過去の事例:赤字国債の発行経緯
たとえば、1975年のオイルショック後、日本は税収不足に陥り、初めて赤字国債が発行されました。その後もバブル崩壊やリーマンショック、新型コロナウイルス対応など、経済的危機時に赤字国債の発行が増えています。
一方で建設国債は、災害復興やインフラ整備など将来投資としての性格が強く、発行目的が明確です。
まとめ:赤字国債は“必要悪”、黒字国債は存在しない
- 赤字国債=歳入不足を補うために臨時で発行
- 建設国債=将来資産になる公共事業向けに発行
- 黒字国債という制度・用語は存在しない
- 赤字国債の乱発は財政リスクを高める
国債の種類とその役割を正しく理解することで、ニュースの見方も変わってくるでしょう。

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