FIRE(経済的自立と早期リタイア)は、年間支出の25倍の資産を築き、年利4%で運用すれば資産を減らさずに生活できるとする「4%ルール」が前提です。しかし、「7500万円あればFIREできる」と考える人と「それでは足りない」とする人の意見は大きく分かれています。本記事では、その分岐点となる考え方とFIRE成功の鍵について解説します。
FIREは数字だけで語れるものではない
たしかに「年間支出300万円 × 25年分 = 7500万円」という計算は理論上は正しいですが、現実はもっと複雑です。株価の変動、インフレ、税制の変化、想定外の医療費や家族事情など、人生には予測できないことが多く含まれています。
それでも7500万円でFIREが「可能」だと主張できるのは、いくつかの前提条件を正しく理解し、それに対応する柔軟性がある人に限られます。
4%ルールの本質を理解しよう
4%ルールは、米国の過去のインフレ・株価・債券利回りを元にしたシミュレーション結果に基づいています。しかし、このルールは「毎年4%ずつ一定額を取り崩す」ことを前提としています。つまり、暴落時でも同じ額を取り崩せば、早期に資産が尽きてしまう可能性もあるのです。
そこで近年では、「可変支出ルール」や「リスク資産と現金比率の調整」など、柔軟な運用方針が推奨されています。
FIRE賛成派が前提にする3つの柔軟性
1. 一時的な就労・バイトの許容
暴落時や一時的な資金不足が起きたとき、少しだけ働いて現金収入を補うというスタンスを取れる人は、FIRE生活において強いです。
2. 支出の調整力
支出を「毎年300万円」と固定するのではなく、年によっては250万円に抑える柔軟性を持てる人ほどFIRE成功率が高まります。
3. 投資リテラシーとリスク耐性
資産が減る時期があっても長期的には回復すると信じ、適切な資産配分やリバランスを行える投資知識を持っている人は、精神的にも安定してFIREを継続できます。
一方、FIRE反対派が抱える不安とは?
反対派が指摘するリスクももちろん現実的です。例えば「インフレが急激に進んで生活費が跳ね上がる」「日本株と米株が同時に大暴落する」といったシナリオでは、年間300万円の支出では足りなくなる可能性もあります。
しかし、これらのリスクも「生活防衛費を別途用意」「生活水準の再設計」「国債やゴールドなど分散投資」といった方法で対応が可能です。
成功者の実例に学ぶFIRE実現のヒント
実際にFIREを達成した人の多くは、「フルFIRE」ではなく「サイドFIRE」や「バリスタFIRE(週3バイト)」のような形で、ほどよい働き方を継続しています。
ある夫婦は、50歳で7000万円を元手にFIREを開始。支出を年間250万円に抑えつつ、週に数時間だけオンライン講師の仕事をしながらFIRE生活を実現しています。
まとめ:7500万円でFIREは可能だが、柔軟性と戦略が鍵
FIREにおいて「7500万円あれば十分」という考えは、前提となる運用スキルや支出の柔軟性、人生設計に対する自己管理力によって大きく左右されます。資産額だけで判断せず、“使い方”と“備え方”にこそFIRE成功の本質があります。
不安を過剰に感じて動けなくなるより、まずは「自分の生活費」「投資の理解度」「万一の収入源」などを明確にして、計画的にFIREへ向けて動き出すことが何より大切です。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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