企業型DC(企業型確定拠出年金)は、老後資金の形成に活用される制度ですが、もし加入者本人が亡くなった場合、この資産はどうなるのでしょうか?この記事では、企業型DCの死亡時の取り扱いについて、家族や遺族への対応を含めてわかりやすく解説します。
企業型DCの死亡時の基本的な取り扱い
企業型DCは、加入者が亡くなった場合、その残高は「死亡一時金」として、原則として遺族に支払われます。これは加入者の財産として扱われ、他の資産と同様に相続の対象となります。
なお、死亡後は通常の年金受け取り(老齢給付金)は行われず、一時金での支払いとなる点に注意が必要です。
受取人の指定と相続の順序
企業型DCには、受取人を指定できる制度があります。受取人を指定している場合は、その人に優先的に支給されます。指定がない場合は、以下の法定相続人の順位に従って決まります。
- 第一順位:配偶者
- 第二順位:子ども
- 第三順位:父母
- 第四順位:兄弟姉妹
受取人を指定していないと、相続手続きが複雑になることがあるため、生前に受取人を設定しておくことが望ましいです。
相続税と非課税枠の取り扱い
企業型DCの死亡一時金は、相続税法上「みなし相続財産」として扱われます。つまり、生命保険金や退職金と同様に、相続税の計算時に一定の非課税枠(500万円×法定相続人の数)が適用されます。
たとえば、法定相続人が2人いれば、1000万円までが非課税となるため、税負担を抑えることができます。
実際の支給までの手続きの流れ
死亡後の手続きは、所属していた企業または運営管理機関に死亡の届出を行い、必要書類を提出することで開始されます。必要書類には以下が含まれることが多いです。
- 死亡診断書のコピー
- 住民票除票または戸籍謄本
- 相続人関係を証明する書類(戸籍等)
- 受取人の本人確認書類
手続き完了後、遺族に死亡一時金が支払われるまでに1~2ヶ月程度かかるのが一般的です。
iDeCo(個人型DC)の場合との違い
参考までに、iDeCoでも同様に、加入者が亡くなった場合は死亡一時金として遺族が受け取ることになります。ただし、企業型DCと異なり、自分で運用機関を選んでいるため、手続き先は加入者の所属先ではなく運用会社になります。
まとめ|遺族のために今できる備え
企業型DCは、加入者が亡くなった場合も遺族に資産が引き継がれます。ただし、受取人の指定や相続手続きの準備をしておくことで、遺族へのスムーズな支払いと税負担の軽減が可能になります。
今のうちから受取人の指定と書類の整理をしておくことが、家族への大きな安心に繋がります。

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