株主優待制度や配当などのインセンティブを目的に株を長期保有する投資家は多いですが、「長期保有特典」は通常の権利確定と異なるルールが設けられていることをご存じですか?特に途中で株を売却して再度買い戻した場合に、その期間がどのように評価されるかは重要なポイントです。
長期保有特典とは?
企業が定めた一定期間、株式を継続して保有している株主に対して、追加的な優待や特典を提供する制度です。たとえば「3年以上継続保有している株主に、通常の優待に加えてプレミアム優待を提供」といった形です。
この制度は、安定株主の育成と株価の下支えを目的として導入されており、通常の配当・優待よりも魅力的な特典が設けられていることがあります。
途中売却後の買い戻しは保有期間にカウントされる?
多くの企業では「継続保有」の定義に厳格な基準を設けており、一時的な売却は保有期間のリセット要因となるケースが一般的です。
たとえば、以下のような記載が企業のIRにあります:「同一株主番号で株主名簿に連続して3回以上記載された場合に限り、長期保有とみなす」。この場合、途中で株式を売却して再取得すると、株主番号が変更される可能性があり、継続保有扱いとはなりません。
株主番号と名簿管理の仕組み
上場企業では、株主名簿の管理は「株主名簿管理人」(通常は信託銀行)が行っています。この名簿に株主が記載されている状態が「保有」とみなされ、株主番号は証券会社や取引口座ごとに異なるため、同じ個人でも口座を変えると別番号になる場合があります。
売却後に同じ証券口座で買い戻したとしても、売却タイミングで名簿から削除されると保有期間はリセットされる可能性があります。
長期保有特典の対象になるための対策
- 中長期で保有予定なら、途中売却を避ける
- 証券会社や企業IRに「株主番号の継続管理」について確認する
- 「端株(1株)」を残しておくことで株主番号を維持する裏技も活用できる
実際、100株単位で優待が出る企業では「1株を残しておけば保有期間が継続する」というケースもあり、端株保有が長期優待維持に有効です。
実例:オリックスやKDDIの長期優待条件
たとえばオリックス株式会社では、「同一株主番号で3年以上連続して株主名簿に記載されていること」が条件となっており、一時売却で名簿から削除されるとリセットされます。
またKDDIも「株主番号ベースでの連続記載が必要」としており、途中の売却・買戻しでは条件を満たさないことが明記されています。
まとめ:長期保有特典を逃さないために
長期保有特典を受けるには、単に「権利日に株を持っている」だけでは不十分で、途中で売却せずに継続して名簿に記載され続けることが必要です。中長期で恩恵を受けたい方は、企業ごとの優待規定をしっかり確認し、途中売却を控えるのが賢明です。

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