中央銀行が供給する準備と法定準備率によって、経済全体の預金総額がどのように決まるのかをご存知ですか?これは「信用創造」と呼ばれる重要な仕組みに基づくもので、経済学や金融政策において基本となる考え方です。本記事では、法定準備率4%、準備金40兆円というケースを例に、わかりやすく計算方法と背景を解説します。
法定準備率とは?
法定準備率とは、銀行が預金を受け入れる際に、その一部を中央銀行に準備金として預けなければならない比率のことです。この比率によって、銀行がどれだけ貸し出しできるかが決まります。
たとえば、法定準備率が4%であれば、預かったお金のうち4%は中央銀行に預け、残りの96%は貸し出すことができます。この仕組みによって、1つの準備金が何倍もの預金を生み出すことが可能になります。
信用乗数の計算式
この仕組みを数式で表すと、次のようになります。
預金総額 = 準備金 × 信用乗数
そして、信用乗数(マネー乗数)は次の式で求められます。
信用乗数 = 1 ÷ 法定準備率
ここで、法定準備率が4%(=0.04)の場合。
信用乗数 = 1 ÷ 0.04 = 25
つまり、準備金1円あたり25円の預金を創造できるということになります。
問題の計算:預金総額はいくらになるか?
問題の条件では、準備金が40兆円、法定準備率が4%ですので、信用乗数は25です。したがって、預金総額は次の通りです。
預金総額 = 40兆円 × 25 = 1000兆円
このように、40兆円の準備があれば、理論的には1000兆円の預金を生み出すことが可能になります。
現実の経済における留意点
理論上はこのように計算されますが、実際の経済では全ての貸出が即座に預金として戻るとは限らず、準備率以外にも通貨需要や銀行の貸出姿勢、金融政策など様々な要因が影響します。
また、日本銀行が導入している「超過準備制度」などの影響で、信用乗数が低下している時期もあり、理論通りにお金が増えるとは限らない点も理解しておくことが大切です。
計算例のまとめとポイント
- 法定準備率:4%(=0.04)
- 準備金:40兆円
- 信用乗数:1 ÷ 0.04 = 25
- 預金総額:40兆円 × 25 = 1000兆円
このように、簡単な計算式を使うことで、マネーサプライの理論的な影響を理解することができます。
まとめ
法定準備率と準備金から預金総額を計算する方法は、経済の基本的な仕組みを理解するうえで非常に重要です。今回のケースでは、法定準備率が4%であれば、信用乗数は25となり、準備金40兆円で預金総額は1000兆円となることがわかりました。
このような考え方は、マネーサプライのコントロールや金融政策の効果を理解する上でも役立ちますので、しっかりと押さえておきましょう。

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