NISAをやめるべき?金投資との比較で見える資産運用の考え方

資産運用、投資信託、NISA

NISAを始めたけれど元本割れに不安を感じたり、周囲の意見に揺さぶられて「やめたほうがいいのでは」と悩む人は少なくありません。特に、友人が金(ゴールド)への投資で利益を出した話を聞くと、自分の判断が間違っていたのではないかと感じてしまうものです。この記事では、NISAと金投資を比較しつつ、それぞれの特徴やリスク、判断材料を整理していきます。

NISAの基本:非課税の恩恵を活かす長期投資

NISA(少額投資非課税制度)は、株式や投資信託などから得た利益に税金がかからない制度です。特に新しいNISAでは、年間360万円まで投資可能で、成長投資枠とつみたて枠の併用が可能となりました。

ただしNISAの基本は「長期・分散・積立」です。短期的な価格変動での利益を狙うものではないため、2年程度の期間で元本割れしたからといって失敗とは限りません。

元本割れは珍しくないが、焦らないことが重要

投資信託や株式は、相場の変動によって一時的に元本を下回ることがあります。しかし、長期的には経済の成長に伴い価格が上昇する傾向があります。過去のデータでも、10年以上の長期保有では元本割れの確率が大きく下がることがわかっています。

例として、世界分散型のインデックスファンド(例:全世界株式)を毎月積立てた場合、リーマンショックを含む期間でさえ、10年以上の保有で多くのケースがプラスになっています。

金投資の特徴:インフレやリスクヘッジに強い

金(ゴールド)は「価値の保存手段」として人気があり、株式市場が不安定なときに資金が流れやすい資産です。実際、ここ数年はインフレや国際情勢の不安もあり、金価格が上昇してきました。

しかし、金は配当も利息もないため、価格上昇だけが利益の源です。価格が動かない時期には保有していても実質的に利益が出ないこともあります。また、金は現物保有なら管理コスト、ETFなら信託報酬がかかる点にも注意が必要です。

NISAと金の違いを整理:目的に応じて選ぶ

項目 NISA(株・投信) 金(ゴールド)
リターンの期待 中〜高
元本保証 なし なし
収益源 値上がり+配当・分配金 値上がりのみ
インフレ耐性 やや強い 非常に強い
流動性 高い やや高い(ETFは高い)

このように、NISAと金では性質が異なるため、どちらが優れているとは一概には言えません。

成功体験に惑わされず、自分の目的を明確に

「友人が金で40万円儲けた」と聞くと魅力的に思えますが、投資タイミングや金額、相場の運などが大きく影響しており、必ずしも再現可能ではありません。重要なのは、「自分がなぜ投資をしているのか」「いつまでにどんな目的で増やしたいのか」を明確にすることです。

短期の利益ではなく、将来の資産形成や老後資金を目的とするなら、NISAのほうが適しているケースが多いでしょう。

まとめ:やめるか迷う前に、目的とリスクを再確認

NISAをやめるかどうかは「一時的な損益」ではなく、「あなたの資産運用の目的」によって判断するべきです。金投資も一つの手段ではありますが、それが全員に最適とは限りません。

感情に流されず、長期的な視点で「分散・積立・継続」の原則に基づく運用を見直すことが、将来の資産形成への第一歩となります。

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