積立投資を始めようと考えた際、投資信託の商品選びにおいて「信託報酬」や「総経費率」などの費用が重要な要素となります。しかし、実際に投資信託を選ぶと、目論見書と証券会社のHPで異なる記載がされていることがあります。例えば、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の場合も、信託報酬と総経費率に差異があることが記載されています。このような場合、どう解釈すればよいのでしょうか?この記事では、信託報酬と総経費率の違いについて解説します。
信託報酬と総経費率の違いとは
まず、投資信託における「信託報酬」と「総経費率」の違いについて理解することが大切です。
信託報酬は、投資信託を運用している運用会社に支払う手数料で、主に運用の管理にかかる費用をカバーします。通常、年間の基準価格に対して一定の割合で計算されます。
一方、総経費率は信託報酬に加えて、その他の費用を含めたトータルのコストを表します。これには、運用管理費用のほか、取引や会計監査、税務申告などの費用が含まれます。総経費率は投資家が負担する実質的なコストを反映しており、信託報酬とは異なります。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の信託報酬について
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の証券会社のHPに記載されている信託報酬は0.05775%です。これは運用管理費用のみの割合であり、運用会社に支払う報酬のことです。
一方、目論見書に記載されている「運用管理費用の比率」は0.07642%で、これは運用に直接関わる費用を示しています。信託報酬の0.05775%は運用管理費用の一部に過ぎず、実際には他の管理費用やコストが加わるため、総経費率が0.11%となるわけです。
なぜ信託報酬と総経費率は異なるのか?
信託報酬が0.05775%に対し、目論見書で示されている「総経費率0.11%」には追加の費用が含まれているため、差異が生じます。総経費率には、運用管理費用に加えて、運用資産を管理するための様々な費用(例えば、監査費用や事務手数料)が加算されます。
したがって、信託報酬は運用そのものにかかる直接的なコストを示すのに対して、総経費率は投資信託全体の維持にかかる全てのコストを反映する指標となります。
信託報酬と総経費率を理解した上で投資判断をする重要性
投資信託を選ぶ際、信託報酬だけでなく、総経費率も重要な判断材料となります。信託報酬が低くても、その他の費用が高ければ、実質的な投資コストが高くなり、運用成績に悪影響を与える可能性があります。
そのため、投資家としては、投資信託を選ぶ際に信託報酬だけでなく、総経費率も確認し、全体のコストを理解することが大切です。低コストの投資信託は、長期的に見てもリターンに大きな影響を与える可能性があるため、費用の詳細をしっかりと把握することをおすすめします。
まとめ
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の信託報酬と目論見書に記載された運用管理費用には差異がありますが、これは信託報酬と総経費率の違いによるものです。信託報酬は運用に直接関わる費用であり、総経費率はその他の管理費用を含むため、全体的なコストを理解するためには両者を確認することが重要です。
投資信託を選ぶ際には、信託報酬と総経費率を正しく理解し、長期的に最適な投資をするための参考にしましょう。
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