損切りの迷いが招く“建値狩り”の罠とは?トレードの心理と対策を解説

外国為替、FX

トレードにおいて「損はしたくない」という気持ちは誰しもが抱くものですが、その感情が判断を鈍らせ、結果的にさらなる損失を招くケースも少なくありません。とくに多いのが「ストップロスを建値付近に戻してしまう」ことによる“建値狩り”のような展開です。本記事では、なぜそのようなことが起きるのか、そしてどう対処すべきかを心理面と実践面の両面から解説します。

建値に戻したストップが狩られる理由

損切りラインを建値付近に戻してしまう行動の背景には、「利益を確定したい」「損を出したくない」といった感情的バイアスがあります。しかし、市場はこうした心理を突くように、一時的な揺さぶり(ノイズ)をかけてくるものです。

例えば、トレンドが続く場面でも、一度建値まで戻ってから再上昇するパターンは多くあります。これは短期勢の利確やロスカットを巻き込んだ動きが発生するためです。

実際に起きやすい「あるある」な展開

典型的な例として、エントリー後に一時的に含み益が出たものの、想定よりも早くストップを建値に引き上げてしまい、ちょっとした戻しで狩られ、その後に相場が予想通りに伸びていくという“置いてけぼり”の展開があります。

このような状況はFXや株、仮想通貨など相場を問わず発生しやすく、多くのトレーダーが「ぐあーーーー!」という思いを経験しています。冷静さを欠いた調整が裏目に出る典型例といえるでしょう。

心理トリガー:損失回避バイアスの正体

このような行動を起こす心理的要因には、「損失回避バイアス(Loss Aversion)」があります。心理学者ダニエル・カーネマンの研究によると、人間は同じ金額の利益よりも損失に対して2倍以上の心理的ダメージを受ける傾向があります。

そのため、少しでも含み益が出ると「せめて損は出さずに済ませたい」という気持ちから、建値にストップを置きたくなるのです。

対策:戦略的なストップ設定と維持の工夫

  • 初めに決めた損切り・利確ポイントを守る:感情に流されず、トレード前に設定した計画を貫くことが大切です。
  • プライスアクションを意識:ローソク足のパターンやサポレジの位置を見て、自然な押し目や戻りを許容する戦略を立てましょう。
  • 分割決済を活用:一部を建値付近で利確し、残りを伸ばすことで心理的なプレッシャーを軽減できます。

実例:分割エントリーと分割利確で心の安定を得る

たとえば、USD/JPYを145.00でロングした場合、最初に145.50で半分を利確し、残りのストップはエントリー価格の下(例:144.70)に維持すると、多少の揺さぶりにも動じにくくなります。これにより、建値ストップ狩りを避けながらトレンドフォローの可能性を残すことができます。

この戦略は特に日中のボラティリティが高い市場で効果的です。

まとめ:感情ではなくシナリオで動くことが勝率を上げる

トレードにおける“建値ストップ狩り”は、ほとんどの投資家が一度は経験する挫折ポイントです。感情に流されてのストップ変更はリスクを高める原因となります。

「計画→実行→振り返り」のループを作り、明確なシナリオとストップルールに基づいたトレードを心がけることで、この“あるある地獄”から脱出することが可能です。しっかりとリスク管理をして、冷静な判断を身につけましょう。

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