オルカンやS&P500は本当に複利で増える?基準価額と複利効果の仕組みを徹底解説

資産運用、投資信託、NISA

投資信託を始めたばかりの方にとって、「複利で増える」という言葉は非常に魅力的に聞こえる一方で、実際にどのような仕組みで増えていくのか疑問を感じることも多いでしょう。特に、同じ基準価額で買った場合に結果がどう違うのか、S&P500やオルカンなどでよくある質問です。

そもそも「複利」とは何か?単利との違いを理解しよう

複利とは、投資で得た利益を再投資し、その再投資分も含めて次の利益を得るという仕組みです。これにより、時間が経つほど増加ペースが加速します。一方、単利は元本だけに対して利子がつくため、増え方は一定です。

たとえば、毎年10%のリターンが得られる投資信託に100万円を投じた場合、単利なら10年後には200万円ですが、複利なら10年後には約259万円になります。これが「利息に利息がつく」複利の力です。

投資信託はなぜ「複利で増える」と言われるのか

多くの投資信託(とくに再投資型のインデックスファンド)は、配当金や利子などの分配金を受け取ると、それを自動的に再投資に回します。これにより、保有口数が増えないまま基準価額が上昇する「複利的な運用成果」が実現します。

たとえば、S&P500連動型のファンドでは、構成企業から得られる配当がその都度再投資されるため、投資家自身が再投資の手続きをしなくても「元本+過去の利益」が次の運用の元になります。

基準価額は複利を内包するが、購入タイミングで効果は変わる?

質問にあるように、「同じ投資信託を基準価額1,000円のときと2,000円のときに購入した場合、増え方は同じか?」という疑問は、実はとても本質的です。

結論から言えば、基準価額がいくらのときに買ったかは問題ではなく、買ってから何%増えたかが投資の成果になります。つまり、同じ投資信託なら、購入時点の基準価額にかかわらず、その後の値上がり率が複利で反映されるのです。

たとえば、1,000円で買って2,000円になった場合も、2,000円で買って4,000円になった場合も、いずれも+100%のリターンです。ただし、2,000円で買った方は「複利の恩恵の後半で買った」ことになるため、リターンはより急な上昇局面を取れていると言えます。

複利グラフの「後半」で買ったほうが有利に見えるのはなぜか?

S&P500の長期チャートを見ていると、後半になるほどカーブが急になる、いわゆる「指数関数的な伸び」を示しているように見えます。これは、長期の複利効果によって資産が雪だるま式に増えているからです。

しかし、後半で買ったからといって、将来も同じ角度で増えるとは限りません。過去の伸びはあくまで過去のもので、未来の成長率は経済状況や市場リスクによって変動します。

つまり、「後半の高いところで買って10年保有したら、そのまま同じように増える」とは限らないのです。過去の成績が良いというだけで、未来のリターンが約束されているわけではありません。

積立投資と複利の相性の良さにも注目

NISAなどで人気の積立投資では、毎月一定額を投資することで「ドルコスト平均法」が働き、価格変動リスクを抑えつつ複利の恩恵も得られます。

たとえば、毎月3万円ずつS&P500に20年間積み立てた場合、年平均7%の運用利回りで約1,500万円前後になるというシミュレーションもあります。これは、元本720万円に対して2倍以上になる計算です。

まとめ:基準価額よりも「何%増えるか」が複利の本質

オルカンやS&P500などの投資信託は、再投資型であれば複利の力で資産を増やすことができます。重要なのは「買ったときの基準価額」ではなく、その後の「増え方(リターン)」です。

複利で資産を育てたいなら、長期・積立・分散を意識して、時間を味方につける投資戦略を選びましょう。市場のタイミングを読むよりも、時間を味方につけることが成功の鍵です。

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