FXトレーダーやEA(エキスパートアドバイザー)ユーザーにとって、「特定期間の軍資金(初期証拠金)」を把握することは戦略の見直しや運用の評価に欠かせません。MetaTrader4(MT4)では一見確認しづらいこの項目ですが、いくつかの方法で明確に確認できます。
MetaTrader4の「口座履歴」からの確認方法
まず基本となるのが、「ターミナル」ウィンドウにある「口座履歴」タブです。ここで右クリックし「カスタム期間」を選択することで、特定期間の取引履歴が表示されます。
ただし、この表示では「収益」は確認できても「期間開始時点の口座残高=軍資金」は表示されません。そのため、開始時点の残高を自力で判断する必要があります。
方法①:最初の入金トランザクションを確認する
特定期間内の最初の「Balance(バランス)」行で “Deposit” と表記された行があれば、それがその期間の軍資金となります。
例えば、2024年5月1日からの軍資金を知りたい場合、口座履歴で「2024/5/1~」を指定し、最初のDepositを確認しましょう。
方法②:期間開始時の残高を計算で算出する
もし入金履歴がなく、期間開始時点にポジションを持っていた場合、以下の手順で「軍資金(開始残高)」を算出できます。
- その期間の全損益(収益・スワップ・手数料)を合計する
- 期間終了時の残高から差し引く
- 差し引いた値が「期間開始時点の資金」=軍資金となる
これは、損益が確定していれば比較的正確に把握できます。
実例:EA稼働中の残高確認手順
例:EAを5月1日から稼働させたとして、6月1日時点の損益が+8,000円、残高が108,000円だった場合、5月1日時点の軍資金は108,000円−8,000円=100,000円だったと算出できます。
また、ポジションが未決済で含み損益がある場合は「残高」ではなく「有効証拠金(Equity)」を使うことで、より正確な評価が可能です。
方法③:詳細レポートをエクスポートして確認
「口座履歴」を右クリックし「詳細レポートの保存(Save as Detailed Report)」を選ぶと、HTML形式の詳細レポートが出力されます。このレポートには「Initial Deposit」や「Balance」、「Equity」、「Drawdown」などの詳細情報が含まれており、軍資金の推移も明確に追えます。
このレポートはExcelなどで開いて分析するのもおすすめです。
注意点:含み損益を考慮する必要がある場面
EAを長期で稼働していると、未決済ポジションが含み損益に大きな影響を与えるケースがあります。この場合、「残高(Balance)」ではなく「有効証拠金(Equity)」を基準に軍資金を見積もるべきです。
また、期間中に複数の入出金がある場合は、それぞれを考慮した累積計算が必要になります。
まとめ
MetaTrader4で特定期間の軍資金を確認するには、「履歴」だけでは不十分で、入出金履歴の確認や残高の計算、あるいは詳細レポートの活用が不可欠です。状況に応じて複数の方法を組み合わせることで、EA運用やトレード評価における重要な判断材料が得られます。
軍資金の把握は単なる数字確認ではなく、リスク管理・ロット調整・EA評価など、あらゆる場面で役立つ基本中の基本です。

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