新NISA制度では「売却しても非課税枠を再利用できる」仕組みが導入され、より柔軟な資産運用が可能となりました。しかし、売却時に「積立元本と配当金、どちらが先に売られるのか?」という疑問を抱く方も多いでしょう。本記事では、NISA口座の売却順序の基本的な考え方を分かりやすく解説します。
再利用可能なNISAの特徴をおさらい
2024年から導入された新NISAでは、生涯非課税投資枠が最大1,800万円(うち成長投資枠1,200万円)に設定され、売却すればその分の非課税投資枠を翌年から再利用できる仕組みとなっています。
この「売却=枠の回復」は長期投資の自由度を大きく高める設計となっていますが、売却時の内訳によっては運用上の注意点が発生します。
売却時の対象は「保有している資産単位」
NISAでは、配当金は現金としてNISA口座内に残るのではなく、通常は課税口座に払い出される(=枠外)ため、売却対象となるのは基本的に投資元本(=保有している投資信託や株式)です。
つまり、NISA口座で一部売却を行う場合、売却されるのは積み立てた元本部分からという扱いになります。配当金は既にNISAの外に出ているか、再投資設定をしていない限り売却には関係ありません。
再投資型配当金の場合は注意が必要
もしNISA内で配当再投資型のファンドを購入している場合、配当金が自動的に再投資され、その金額もNISAの非課税枠を消費しています。
この場合、再投資された配当金も含めて一つの「保有資産」となり、売却順序は「購入順」または「平均取得単価ベース」での比例売却となります。
つまり、積立元本か再投資配当かを明確に区別して売却することはできません。
例:年240万円を積立てたケース
ある人が毎年成長投資枠120万円で高配当株に投資し、5年間で合計600万円投資+配当金年5%で運用していたとします。
配当金は課税口座で受け取り、再投資しない設定の場合、NISA口座内には元本600万円相当の株式だけが残ります。売却すれば、その分の元本が対象となり、配当金には影響がありません。
逆に、配当金も自動で再投資設定にしていた場合、それらも元本と合算され、売却対象に含まれます。
売却=枠回復は「売却した金額分の翌年枠」
新NISAでは売却により生じた投資枠は翌年から再利用可能になります。たとえば、2025年に100万円分を売却すれば、2026年にはその分の非課税枠(100万円)を再び利用できます。
ただし、売却した年の枠に空きができるわけではなく、あくまで翌年から使える点に注意が必要です。
まとめ:NISAの売却順序と非課税枠の管理
・NISAで売却されるのは基本的に保有している元本(投資信託・株式)から。
・配当金は通常課税口座に払い出され、売却対象ではない。
・配当再投資型の場合、配当も含めて一体として売却対象になる。
・売却による非課税枠の回復は翌年からで、再利用が可能になる。
NISAを活用して資産形成する上では、配当受け取り設定・再投資の有無・売却タイミングの3点が、制度の恩恵を最大化するカギとなります。

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