NISAと特定口座に同じ銘柄を保有している場合、売却はどちらから?税制面から見るベストな選択

資産運用、投資信託、NISA

同じ銘柄をNISA口座と特定口座の両方で保有していて、300株を売却する場合、「どちらから売るべきか?」という疑問を持つ方は多いでしょう。特に長期保有を前提にしているなら、売却タイミングと口座選択の影響は非常に大きくなります。この記事では、NISAと特定口座の違いや、売却時の税制上の有利・不利を解説しながら、判断のヒントを紹介します。

NISA口座と特定口座の基本的な違い

NISA口座では、売却益・配当金が非課税となるという大きなメリットがあります。一方で、損益通算や繰越控除ができないため、損が出ても税金面で取り戻す手段はありません。

特定口座では、売却益に20.315%の税金がかかりますが、損が出た場合は他の利益と通算可能で、確定申告での還付が受けられる可能性があります(源泉徴収あり口座なら確定申告不要も可能)。

含み益がある場合の優先売却は?

含み益がある場合、基本的にはNISA口座の株式を売却するのが有利です。なぜなら、NISA口座で得た売却益には税金がかからないため、非課税枠を有効活用できるからです。

例えば、1株あたり500円の含み益がある場合、300株をNISAで売れば15万円が非課税になります。特定口座で売ると約3万円の税金が差し引かれるため、その分リターンが減少します。

含み損がある場合は特定口座を優先

一方で、株価が購入時よりも下がっており含み損が出ている場合は、特定口座での売却を優先すべきです。なぜなら、売却損は他の売却益や配当と損益通算ができ、税負担を軽減できるからです。

たとえば、他に特定口座で配当所得や利益が出ているなら、この損失と相殺することで課税対象を減らせます。これがNISA口座で損失を出しても、何の節税効果もありません。

長期保有を前提とする場合の考え方

質問者のように「残りは長期保有したい」と考えている場合、将来的な売却益が大きくなりそうな口座=NISAを残すのが戦略として合理的です。

非課税であるNISAのメリットは、利益が大きくなるほど効果も大きくなります。つまり、売却する300株は特定口座からにして、NISA口座は可能な限り温存したほうが非課税メリットを最大限に活かせます。

証券会社によって売却指示の方法が異なる点に注意

一部のネット証券では、同じ銘柄を複数口座で保有していると、売却画面で「どの口座から売却するか」の選択ができないこともあります。この場合は、証券会社のサポートページを参照するか、あらかじめどの口座の株を売却するかを移管や指定で整理しておくとよいでしょう。

特に自動でNISAから先に売却されるよう設定されている場合、意図と逆になるリスクもあるため要確認です。

まとめ:利益ならNISAから、損なら特定口座からが基本方針

300株を売却する際、判断の基準は「含み益か損か」と「残りをどうするか」です。原則として。

  • 含み益がある → NISAから売却して非課税利益を確保
  • 含み損がある → 特定口座から売却して損益通算で節税

そして、長期保有を続けたいなら、将来の売却益に非課税効果が効くNISAを温存するのが得策です。売却前には、証券会社の口座設定や売却指示方法も必ずチェックしておきましょう。

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