FXや為替のニュースでよく耳にする「円が買われている」という表現。ドル円チャートが下落しているときに使われることが多いですが、この表現は具体的にどのような取引を指しているのでしょうか?この記事では、FX初心者にもわかりやすく、円が買われるとは何を意味し、誰がどこで取引しているのかを丁寧に解説します。
「円が買われている」とはどういう状態?
為替相場では、通貨は常に「ペア」で取引されます。たとえば、ドル/円(USD/JPY)の場合、ドルを買って円を売る、またはドルを売って円を買うという取引です。「円が買われている」というのは、このペアにおいてドルを売って円を買う取引が増えている状態を指します。
その結果、円の需要が高まり、ドル円のレートが下がります。たとえば、1ドル=150円だったものが145円になるような動きが「円高」と呼ばれる現象です。
日本での取引?それとも海外?実際の円買いはどこで起きている?
「円が買われる」という取引は、日本国内だけでなく、世界中の金融市場で発生しています。FX市場はグローバルで分散しており、ニューヨークやロンドン、シンガポールなどのトレーダーが円を買うことも珍しくありません。
つまり、日本人だけでなく、外国人投資家も円を買っている可能性があるということです。たとえば、リスクオフ(市場が不安定になる)時に、安全資産として円が買われる傾向があり、その取引の多くは海外で行われます。
具体例で理解する:リスクオフと円買いの関係
2020年3月、世界的に新型コロナウイルスが拡大した際、金融市場は不安定になり「リスクオフ」となりました。このとき、世界中の投資家が株やリスク資産を売却し、安全とされる円を買う動きが強まりました。
結果としてドル円は急落し、1ドル=112円から101円台へと円高が進行しました。この動きの多くは、日本国内の投資家というよりも、海外のヘッジファンドや機関投資家による円買いが主導していたと考えられます。
なぜ円は安全資産として買われるのか?
日本は経常黒字国であり、対外債権を多く保有しています。これは日本が世界に対して「貸し手」側にあることを意味し、危機時には円を海外から日本に戻す「レパトリエーション(資金の本国回帰)」が発生します。
このような背景から、円は危機時に買われやすい、つまり「安全通貨」としての地位を築いています。円が買われるからといって、それが常に日本国内での個人両替や輸出企業による取引を指すわけではないのです。
FXのチャートとの関係:円高=ドル円下落の意味
ドル円のチャートで価格が下がるというのは、「ドルが売られて円が買われている」ことを意味します。逆に、価格が上がるときは「ドルが買われて円が売られている」状態です。
このように、通貨ペアの動きはどちらかの通貨に対する需給で決まり、チャートが下落しているときに「円が買われている」と表現されます。この動きは投資家心理、金利差、経済指標などに影響されます。
まとめ:円が買われるとは市場全体の意思表示
- 「円が買われる」とはドルなどを売って円を買う取引が増えること
- その結果、ドル円は下落(=円高)する
- 取引は日本国内に限らず、世界中の市場で行われる
- リスク回避時や市場混乱時には海外からの円買いが活発化する
FX取引における「円が買われる」という表現は、投資家心理や市場環境のシグナルでもあります。単なる国内の取引だけでなく、世界中の動きが円相場に影響を与えていることを理解しておくことが大切です。

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