近年、個人投資家の間でも米国株投資が注目されています。中でも「米ドル建て」での投資は、為替の影響をダイレクトに受ける分リスクとリターンの両面を伴います。この記事では、アメリカドルを使って米国株を買うメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
アメリカドルで株を買うとはどういうことか
日本円を外貨に換えて、そのまま米国の証券取引所(NYSEやNASDAQなど)で取引されている企業の株を買うことを指します。たとえばAppleやMicrosoftなどを直接ドルで購入する形です。
円建てで購入できる米国株ETFや投資信託とは異なり、自分で外貨口座を開設し、為替手続きを含めて取引を行います。
アメリカドルで米国株を買うメリット
① 為替差益のチャンスがある
ドルで購入した後に円高→円安が進むと、為替差益が発生します。たとえば1ドル100円で購入した株を、1ドル120円のときに売れば、円換算での利益が増します。
② 米国企業の成長を直接享受できる
配当もドルでもらえるため、再投資の自由度が高く、複利運用がしやすいという特徴もあります。
③ 米国株の選択肢が豊富
数千社に及ぶ企業から直接選べるため、個別戦略が立てやすいです。円建てのETFや投信では選べない銘柄にも投資可能です。
アメリカドルで米国株を買うデメリット
① 為替リスクが常に伴う
為替変動により、株価が上がっても円ベースで損をする可能性があります。たとえば1ドル140円時に購入し、株価が上がっても1ドル110円で円換算すると利益が減る、あるいは損になる場合も。
② 為替手数料や外貨口座の維持コスト
円→ドルの両替時に為替手数料が発生します。証券会社によっては1ドルあたり25銭〜50銭程度の差が生じることもあります。
③ 税制・申告がやや複雑
ドル建てで配当を受けた場合、米国で源泉徴収(10%)され、日本でも確定申告時に申告分離課税となります。外国税額控除なども考慮が必要です。
実際に活用されている投資例
例:米ドル建てでApple株を購入。為替レートが1ドル=110円→130円に上昇した場合、株価が同じでも円換算利益が増えた。さらに配当もドルで再投資することで効率的な複利運用を実現。
逆に、円高に振れた際に円換算損が出た例もあり、為替の読みは重要となります。
円貨で投資する場合との違い
円貨で購入可能な米国株ETF(例:楽天・全米株式インデックス・ファンドなど)は、為替ヘッジなしの場合、実質的に為替の影響を受けますが、ドルでの受取や再投資はできません。
利便性は高い反面、配当再投資や自由なリバランスには制限があるため、自分でドル建てでコントロールすることに魅力を感じる方には不向きといえるでしょう。
まとめ:アメリカドル投資は柔軟性とリスクのトレードオフ
アメリカドルでの米国株投資は、自分で投資管理を行える柔軟性と、為替の恩恵を得られる可能性がある一方、為替リスクや申告の複雑さを伴う点を踏まえる必要があります。
どちらが優れているというよりも、ご自身の投資スタイルや目的に応じて、円建て投資と併用するなどバランスを取るのが現実的な選択肢です。

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