ご家族が保有していた株式を相続する際には、相続人が株式を引き継ぐための手続きを行う必要があります。証券口座の開設や残高証明書の取得、そして各種書類の準備など、初めての方には分かりづらい点も多いでしょう。この記事では、相続人が1人の場合を中心に、株式相続に必要なステップを具体的にご紹介します。
株式相続の基本的な流れ
株式の相続では、まず「相続人が誰か」を確定させた後、証券会社に対して名義変更の申請を行います。この際、相続人が証券会社に口座を持っていない場合には、新たに証券口座の開設が必要となります。
相続の手続きは通常以下のような流れで進みます。
- 遺言書や戸籍謄本で相続人の確認
- 証券会社に連絡し、必要書類の確認
- 相続人名義の証券口座を開設
- 名義変更の手続き
証券口座がない場合の対応：通信取引口座でも大丈夫？
多くの証券会社では、店舗での手続きだけでなく、郵送・オンラインで手続き可能な「通信取引口座」も対応しています。近くに支店がない場合でも、オンライン証券（例：SBI証券、楽天証券など）を通じて非対面で手続きが完結します。
ただし、郵送の場合でも相続関係の書類（戸籍謄本、印鑑証明など）は原本提出が求められるケースがあるため、余裕をもって準備しましょう。
残高証明書は取得しておくべき？
相続税申告が必要となる場合や、金融資産の全体把握が必要な場合には、残高証明書は重要な書類となります。証券会社に依頼すれば、故人の保有株式や残高を証明する書類として発行してもらえます（有料の場合あり）。
特に他に遺産がある場合、株式だけでなく預貯金・不動産などを含めて資産を把握する必要があるため、残高証明書の取得はほぼ必須と考えておくとよいでしょう。
相続人が1人の場合の手続きの簡略化
相続人が1人だけであれば、遺産分割協議が不要となるため、手続きが大幅に簡素化されます。以下のような書類が主に必要になります。
- 被相続人の死亡届受理証明書または除籍謄本
- 相続人の戸籍謄本
- 本人確認書類（運転免許証、マイナンバーカードなど）
- 印鑑証明書
証券会社によっては、独自の「相続手続きキット」を送付してくれる場合もあるため、まずは保有口座の証券会社に問い合わせましょう。
株式相続で知っておきたい注意点
株式の価格は日々変動します。そのため、名義変更前であっても、相続時点の価格で相続税評価がなされる可能性があります。
また、名義変更完了までに時間がかかることもあり、その間に配当金や株式併合などが発生した場合の扱いについても確認が必要です。
まとめ｜初めての相続でも安心して進めるために
株式相続は、基本的な流れと必要書類を理解していれば、非対面での手続きでも十分対応可能です。証券会社に相談しながら、順を追って進めましょう。
通信取引口座の開設も可能であり、残高証明書は税務対策の観点でも取得をおすすめします。相続人が1人であれば、比較的スムーズに名義変更できるはずです。
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