新NISAでのファンド乗り換え時の注意点と買付可能額の復活タイミングとは?

資産運用、投資信託、NISA

新NISA制度がスタートし、投資家にとって制度の柔軟性や非課税のメリットがより大きくなっています。しかし、「満額投資した後、ファンドの乗り換えをする場合に買付枠はどうなるのか?」という疑問を抱く方も多いでしょう。この記事では、新NISAでの売却・買付時の注意点と元本ベースの計算方法について具体的に解説します。

新NISAの年間非課税投資枠の基本をおさらい

2024年以降の新NISAでは、年間最大360万円(成長投資枠240万円+つみたて投資枠120万円)の非課税枠が設けられています。この枠は「年間投資額」に対して適用され、一度使った枠はその年には復活しません。

たとえば、2024年に満額360万円を投資した場合、その年中に売却しても新たな買付枠が復活することはありません。ただし、翌年1月には再び年間枠が360万円復活します。

ファンドの乗り換えをする際のポイント

ファンドの乗り換えとは、既存の保有資産を一旦売却し、新たなファンドを購入することを指します。NISA口座内でこれを行う際には、「売却しても当年中は買付枠が回復しない」ことに注意が必要です。

そのため、例えば12月最終営業日に売却したとしても、その年の非課税枠は増えません。しかし、翌年1月1日以降に再度買付を行うことは可能になります。

元本ベースで360万円分の売却をする方法

NISAの投資枠は「投資額ベース」で管理されており、売却時の時価ではなく、購入時の元本でカウントされます。よって、「元本ベースで360万円を売却したい」場合は、保有ファンドの取得単価と数量から売却額を逆算する必要があります。

たとえば、1口あたりの取得単価が1万円のファンドを360口保有していれば、その元本は360万円です。このファンドを全口売却することで、翌年の投資枠360万円分を空けることができます。

売却タイミングと翌年の買付枠への影響

年間枠の復活は「カレンダー年ベース」でリセットされるため、12月中に売却し、翌年1月以降に買付を行うのが効率的な乗り換え戦略です。ただし、年末年始の取引スケジュール(証券会社の休業日)には注意が必要です。

また、売却したファンドが値下がりしていた場合、元本ベースでは360万円未満の枠しか空かないことになります。そのため、売却前に自分の取得価額をしっかり把握しておきましょう。

乗り換えを戦略的に行うための実例

たとえば、2024年に「全世界株式インデックスファンド」を成長投資枠で240万円分購入した投資家が、2024年12月に値上がりしていた同ファンドを売却し、2025年1月に「米国株インデックスファンド」へ切り替える場合、その買付枠240万円は2025年の枠を使うことになります。

重要なのは「買付枠は投資した年のもの」であること。前年に売却しても、その年内では再投資できないため、タイミングと資金計画がカギとなります。

まとめ:新NISAの乗り換えは「売却年」と「買付年」を分けて考える

新NISAにおける非課税枠は、売却しても当年内には復活しないため、ファンドの乗り換えを考える際には「年末に売却」「翌年に再投資」というスケジューリングが重要です。

また、元本ベースで投資枠を計算する点も忘れずに。自分の取得価額と口数をしっかり確認し、効果的に乗り換えを行いましょう。

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