海外も行っている?中央銀行による国債購入とその合法性を徹底解説

経済、景気

日本銀行が既発国債を量的緩和の手段として購入し続ける一方で、他国ではどのように国債購入が行われているのか気になる方も多いはず。本記事では、主要国での中央銀行による国債購入の実態、その法的・政策的な背景と理屈を丁寧に整理します。

■ QE(量的緩和)は世界標準の政策手段

日本に限らず、米連邦準備制度(Fed)、欧州中央銀行(ECB)、英イングランド銀行(BoE)などが、2008年以降の金融危機やコロナ対策として政府債を大規模に買い入れています:contentReference[oaicite:1]{index=1}。

これらの購入はすべて二次市場で行われており、「財政赤字の直接ファイナンス」ではなく、純粋に金融政策の一環と位置づけられています。

■ 米・英・欧・豪など主要国の事例

  • アメリカ(Fed):QE1~QE4で数兆ドルの国債・MBSを購入:contentReference[oaicite:2]{index=2}
  • イギリス(BoE):ギルト(国債)を2009年以降数千億ポンド購入し、いったん縮小措置に転じたが市場混乱時に再介入:contentReference[oaicite:3]{index=3}
  • ユーロ圏(ECB):2015年以降の゙量的緩和、パンデミック対応で複数兆ユーロ規模を購入:contentReference[oaicite:4]{index=4}
  • オーストラリア(RBA):長期国債購入で利回り抑制を目的とした買入を実施:contentReference[oaicite:5]{index=5}
  • スウェーデン(瑞中銀):コロナ禍の影響緩和として政府債を取得:contentReference[oaicite:6]{index=6}

■ なぜ合法?各国の法整備と理屈

多くの国では、中央銀行法や金融政策ガバナンスによって「新規国債の直接引き受けは禁止」されており、二次市場での買い入れが明記されています。

こうすることで、政府資金調達との区別を維持し、財政ファイナンスではなく、利子率誘導や市場安定のための「金融政策」としての正当性を保っています:contentReference[oaicite:7]{index=7}。

■ 法的・政策的な共通点と相違点

国/地域 購入対象 法的裏付け 政策目的
日本 既発国債 二次市場限定の金融政策 インフレ期待・金融緩和
米🇺🇸 Fed 国債・MBS Fed法による購入権限 市場安定と景気刺激
英🇬🇧 BoE ギルト 金融政策委員会決定 利回り低下・金融混乱防止
欧🇪🇺 ECB ソブリン債・社債 ECB条約・ガバナンス基準 物価安定・景気支援
豪🇦🇺 RBA 国債 通貨法に基づく 利回り管理
瑞🇸🇪 Riksbank 国債 中央銀行法で明記 金融政策の補完

■ 最近の論点:出口戦略と財政依存の懸念

一部では「長期化するQEは金融抑圧(financial repression)に繋がる」という指摘もあり、中央銀行の独立性をめぐる議論が継続しています:contentReference[oaicite:8]{index=8}。

実際、BoEは英国債危機への迅速対応でQE再導入、ECBは購入範囲の見直し検討など、各国とも出口戦略が焦点となっています:contentReference[oaicite:9]{index=9}。

✅ まとめ:日銀だけではない、世界が“二次市場QE”を利用

・日本の日銀だけでなく、米Fed・ECB・BoE・豪RBA・瑞Riksbankも同様に既発国債を購入しています。

・各国共通して「新規国債取得禁止」「二次市場買入限定」の法制度を整備し、金融政策としての正当性を担保しています。

・一方で長期化するQEや金融抑圧のリスクが指摘されており、出口戦略に向けた議論も活発化しています。

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