MetaTrader4(MT4)では、テクニカル指標の交差(クロス)を利用したシグナル生成が広く行われていますが、「クロス位置の変化」に着目することで、より高度なトレード判断が可能になります。この記事では、現在のクロスが前回より上であれば買い、下であれば売りといったロジックを実装するインジケーターの作成方法と実用的な使い方を解説します。
クロス判定の基本ロジック
最も一般的なクロス判定は、2本の移動平均線(例:短期と長期)の交差点を基準にしたものです。短期MAが長期MAを下から上に突き抜けると買い、逆は売りというシンプルなロジックです。
この応用として、クロスが発生した際の価格(交差時の価格)を記録し、次回のクロスがその価格より高いか低いかを判定して、トレンドの強さや継続性を見極めることができます。
クロス時の価格を記録する方法
MT4のMQL4言語では、インジケーター内で変数を使って前回のクロス時の価格を保存し、次回のクロスと比較することが可能です。以下はその一例です。
double lastCrossPrice = 0;
if (prevShortMA < prevLongMA && shortMA > longMA) {
lastCrossPrice = Close[1];
// 上抜けクロスのロジック
}
このようにして、クロスが発生したバーの価格を記録することができます。
前回のクロス価格と比較するロジック
次に、保存した価格と現在のクロス価格を比較する処理を組み込みます。以下のような条件分岐でシグナルを出すことが可能です。
if (lastCrossPrice != 0 && Close[1] > lastCrossPrice) {
// 上方向の強いトレンドを示唆
}
この手法を活用することで、単なるクロスではなく「クロスの変化の質」をトレード判断に加えることができます。
視覚的に表示するインジケーターの実装
インジケーターを使ってチャート上にシグナルを表示するには、条件が満たされた箇所にシンボルや矢印を描画します。たとえば、以下のように表示が可能です。
ObjectCreate("SignalUp", OBJ_ARROW, 0, Time[1], Close[1]);
ObjectSet("SignalUp", OBJPROP_ARROWCODE, 233);
ObjectSet("SignalUp", OBJPROP_COLOR, clrGreen);
これにより、視覚的にもクロスの変化を確認しやすくなります。
トレード戦略への応用例
このタイプのインジケーターは、単独でもトレンド検出に使えますが、他のインジケーター(RSIやMACD)と組み合わせることでシグナルの精度が大幅に向上します。
たとえば、「前回より高いクロスで買いシグナル」+「RSIが50以上」など、複合条件にすることでダマシを減らせます。
まとめ:クロスの質に着目した高度なトレード判断を
MT4では、インジケーターのカスタマイズ性を活かして、単なる交差だけでなく、交差の「位置」や「変化」にも注目することで、より洗練されたトレード判断が可能になります。この記事の内容を応用し、独自の分析指標を構築してトレード精度の向上を目指しましょう。

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