NASDAQ100・FANG+・一歩テックを積立中の人が知っておくべき分散投資の落とし穴とS&P500の選択肢

資産運用、投資信託、NISA

近年人気を集めているNASDAQ100やFANG+、そして一歩テックといった米国テック系の投資信託・ETF。これらを同時に積み立てていると、成長性の高いセクターに集中投資できるという魅力がある一方で、気づかぬうちに「銘柄が重複していてリスクが集中している」可能性があります。この記事では、それぞれのファンドの特徴や重複リスク、そして代替として注目されるS&P500との比較を通して、より安定した積立投資の考え方を紹介します。

それぞれのインデックスの特徴を整理

NASDAQ100:米国のNASDAQ市場に上場する非金融企業のうち、時価総額の大きい上位100社で構成されています。ハイテク銘柄中心で、Apple、Microsoft、NVIDIA、Amazonなどが上位を占めています。

FANG+:Facebook(Meta)、Amazon、Netflix、Google(Alphabet)など「GAFAM+主要成長企業」で構成される10銘柄のインデックス。構成銘柄はより集中しており、ハイリスク・ハイリターン傾向です。

一歩テック:国内では話題のテーマ型ファンドの一種で、AI、IoT、クラウド、半導体などのテクノロジー関連企業を多く含んでいます。運用方針により具体的な構成銘柄は異なりますが、NASDAQ100やFANG+と重複する傾向があります。

重複リスクとは?分散投資と見せかけて集中投資

例えば、3つのファンドすべてにApple、Microsoft、NVIDIAが入っていた場合、それぞれ別のファンドに見えても、実際には同じ企業に3回投資している状態です。これでは「分散投資」とは言えず、特定銘柄の値動きにポートフォリオ全体が左右されやすくなります。

特にテクノロジーセクターに集中しすぎると、相場の変動に弱くなる点に注意が必要です。ハイテク株が下落局面に入れば、保有しているすべてのファンドが同時に下落するリスクがあります。

S&P500を積み立てるメリット

S&P500は米国を代表する500社で構成される株価指数で、セクター分散が非常に優れています。ITだけでなく、ヘルスケア、金融、生活必需品、エネルギーなど幅広い業種が含まれます。

具体的な構成比率の例。

  • 情報技術:約28%
  • ヘルスケア:約13%
  • 金融:約11%
  • 一般消費財:約10%

ハイテクに偏らずリスクを抑えつつ、長期で堅実な成長を目指せるのがS&P500の魅力です。

実際の投資行動での選択肢

すでにNASDAQ100・FANG+・一歩テックを積み立てている方は、投資先の重複割合を一度確認することをおすすめします。銘柄の割合が高く重なっているようであれば、一部をS&P500や全世界株式(オルカン)などへリバランスするのも有効な手段です。

また、S&P500に一本化することで、運用がシンプルになり、市場全体の動きに乗りやすくなるというメリットもあります。

まとめ:長期投資では「重複を避けた分散」がカギ

一歩テック・FANG+・NASDAQ100はそれぞれ魅力がありますが、構成銘柄が大きく重複しており、実質的にハイテク株集中投資となる点は大きなリスクです。一方で、S&P500は業種分散が進んでおり、堅実に資産形成を進めたい方に向いています。

リスクを理解し、自分の資産形成目的に合ったインデックスを選ぶことが、長期的な成功への第一歩です。

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