種類株式と普通株式の違いとは?企業が両方を使い分ける理由をわかりやすく解説

株式

株式には「普通株式」と「種類株式」という2つの分類があります。一見すると、種類株式だけあれば良さそうに思えるかもしれません。しかし、企業がこの2種類を使い分けるのには重要な理由があります。本記事では、種類株式と普通株式の違いや、企業が両方を発行する背景をわかりやすく解説します。

普通株式とは何か

普通株式とは、最も基本的な株式の形態であり、議決権・配当・残余財産の請求権など、すべての株主権が等しく与えられています。ほとんどの上場企業で発行されている株式はこの普通株式です。

たとえば、トヨタやソニーのような企業の株を購入すると、それは通常「普通株式」です。一般投資家も企業経営に対して一定の発言権(議決権)を持つことになります。

種類株式とは何か

種類株式とは、普通株式とは異なる条件が付けられた株式のことです。たとえば、配当が優先される優先株、議決権が制限された株式、転換可能な株式などが存在します。

企業によっては、経営のコントロールを維持しながら資金調達したい、特定の投資家にだけ有利な条件を設けたいといったニーズに応じて、種類株式を発行します。

種類株式だけでいいのでは?という疑問に答える

たしかに種類株式は「トッピング付きのカレー」のように魅力的に見えますが、万能ではありません。種類株式は会社法で詳細なルールが定められており、発行には定款変更や株主総会の特別決議が必要です。

つまり、企業が柔軟に発行・運用できるわけではないため、基本形である普通株式をベースとし、特定の目的に応じて種類株式を追加する形が合理的なのです。

企業が種類株式を利用する実例

スタートアップ企業では、創業者が経営権を保持したまま外部から資金調達を行うために「議決権制限株式」や「優先配当株式」を活用します。

例えば、メルカリやSmartHRのようなベンチャーでは、シリーズAやBなどの資金調達でベンチャーキャピタル向けに種類株式を発行しつつ、創業者の意思決定を守る仕組みが取られてきました。

投資家にとっての普通株式と種類株式の違い

投資家から見ると、普通株式は安定的に配当や値上がり益を狙えるのに対し、種類株式はリスクとリターンが大きく異なります。

たとえば、ある種類株式は配当が優先される代わりに議決権がない場合があり、「経営への関与より安定収益を重視」する投資家に向いています

まとめ:普通株式と種類株式は目的に応じて共存する

普通株式と種類株式は、それぞれの役割と目的に応じて企業や投資家に活用されています。種類株式だけが存在すればいいというわけではなく、あくまで普通株式がベースであり、その上で柔軟に設計された種類株式が組み合わさることで、多様なニーズに応えられるのです。

株式のしくみを理解することは、投資判断や企業分析において重要なポイントとなります。今後も両者の違いを意識して株式と向き合いましょう。

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