株式投資においてPER(株価収益率)は企業の割安度を見る指標として広く用いられています。しかし、PERが高い企業が存在する一方で、比較的低いPERの企業も「買い」とは限りません。三菱重工業のような大企業でPERが48倍という数値はどのように解釈すべきでしょうか?今回はPERの基本から、三菱重工のような実例に至るまで、投資判断のヒントを解説します。
PER(株価収益率)とは何か?
PER(Price Earnings Ratio)とは「株価 ÷ 一株当たり利益(EPS)」で求められる指標で、一般的にその会社の利益に対する株価の割高・割安感を示します。PERが低ければ割安、高ければ割高とされがちですが、業種や企業の成長性によってその基準は大きく異なります。
例えば、IT企業やスタートアップなど将来の成長を織り込んで株価が先行する銘柄ではPER100倍以上も珍しくありません。一方、安定した業績の成熟企業ではPER10〜20倍が標準的とされることが多いです。
PER48倍の三菱重工は本当に割高なのか?
三菱重工業のようなインフラ・防衛・宇宙といった長期的プロジェクトを多く抱える企業においては、PERが短期の利益変動でブレやすい傾向があります。例えば、大型受注やプロジェクトの損益計上のタイミングによって一時的にEPSが減少すると、PERが跳ね上がることがあります。
つまり、PER48倍という数字だけを見て「割高だ」「買いだ」と判断するのは危険です。過去数年のPER推移や、来期・再来期の予想PERと合わせて判断することが重要です。
他の指標と合わせて投資判断を
投資判断を行う際は、PERだけでなく他の財務指標も確認すべきです。例えば。
- PBR(株価純資産倍率):資産と比べて株価が高すぎないかを見る
- ROE(自己資本利益率):資本を効率よく使って利益を出しているか
- 配当利回り:長期保有に向いているか
これらを総合的に判断することで、その企業の現在の評価が割高なのか、将来的な成長が期待されているのかが見えてきます。
実例:PERが高くても期待されている企業の例
例えば、米国のテスラ(Tesla)は成長期待の高さから、PERが数百倍という時期もありましたが、それでも投資家が買いを入れるのは「将来の圧倒的な成長」が背景にあるからです。
一方で、PERが10倍を切っていても、業績が悪化していたり、事業の将来性が疑問視されている企業は「安くても買われない」ケースもあります。
三菱重工のビジネスと将来性に注目
三菱重工は防衛・エネルギー・宇宙といった国策に関わる分野を持ち、短期的なPERの数字以上に「政策的期待」「長期需要」が投資家の注目を集めています。例えば、日本政府の防衛費増加や原子力関連技術への再注目などは、同社の中長期的な業績にポジティブに働く要因です。
こうしたマクロ的な視点を加えることで、「数字だけで見えない価値」に気づける可能性があります。
まとめ:PERは便利だが万能ではない
PERは投資判断の入口として非常に有用な指標ですが、単体で判断するのではなく、他の財務指標や事業内容、業界動向とあわせて読み解くことが重要です。三菱重工のように一見PERが高く見える場合でも、その背景や将来性を深掘りすることで、真の投資価値が見えてくるかもしれません。
結論として、「PERが48でも全然買い」という判断は、その企業の将来性や成長期待、業績回復見通しなどとセットで考えるべきものです。

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