昔話『わらしべ長者』は、日本の古典的な物語でありながら、現代の経済学にも通じる教訓が込められています。本記事では、学校の課題などでよく問われる「段落数」や「場面の分け方」に加え、経済学的な視点でこの物語を読み解くヒントを解説します。
『わらしべ長者』のあらすじを簡単におさらい
貧しい男が観音様の教えに従い、最初に手に取ったわらしべ（藁）をきっかけに、物々交換を繰り返しながら、最終的に長者（大金持ち）になるという物語です。この一連の流れが、段落や場面で明確に分けられています。
段落分けすると何段落になる？
教科書や学習教材でよく使われる『わらしべ長者』の標準的な文章では、以下のように8段落前後に分けることができます。
- 男が貧しさに悩む場面
- 観音様のお告げを聞く場面
- 転んで藁を拾う場面
- アブを結び、子どもに渡す場面
- ミカンをもらい、喉の渇いた女性に渡す場面
- 布をもらい、馬と交換する場面
- 馬を手当てし、屋敷に泊まる場面
- 屋敷の娘と結婚し長者になる場面
テキストの細かさや改行のルールによっては多少異なりますが、概ねこのような構成になります。
場面で分けるとどこが区切りか
場面分けは、ストーリーの転換点や出来事ごとのまとまりで判断します。『わらしべ長者』を場面ごとに分けると、以下のように5〜6場面程度に分けられます。
- 場面1：貧しい男が観音様に祈る場面
- 場面2：藁（わらしべ）を拾って持ち歩く場面
- 場面3：アブ→ミカン→布→馬へと交換が続く場面
- 場面4：けがした馬を手当てして屋敷に泊めてもらう場面
- 場面5：屋敷の娘と結婚して長者になる結末
交換の連続部分（場面3）は1つのまとまりとして扱われることが多いですが、より詳しく見るならミカンや布の交換ごとに細かく分けることも可能です。
経済学的に見る『わらしべ長者』の面白さ
この物語は単なる昔話ではなく、「価値の交換」「需給の一致」「機会の発見」など、現代経済学にも通じる要素を多く含んでいます。
例えば、アブがついた藁が子どもにとっては「おもちゃ」としての価値を持つ一方で、男にとっては無価値だったように、価値は相対的であることが描かれています。また、必要な人に必要なタイミングで渡すという行動は、マーケットにおける「適切なマッチング」の例とも言えます。
実例：授業での段落・場面分けの回答例
ある中学校の国語授業では、次のように回答された例があります。
- 段落：全8段落に分け、それぞれに見出しをつける
- 場面：観音様／アブ→ミカン→布→馬→屋敷の娘という5場面構成
これは教科書に準じたスタイルで、多くの指導現場でも用いられている分け方です。
まとめ：段落と場面の分け方で物語の構造が見える
『わらしべ長者』は段落としては約8つ、場面としては5〜6に分けるのが一般的です。分け方の目的は、物語の展開や価値の変化に注目することであり、単なる作業ではありません。
経済的な視点からも面白く読めるこの物語を、構造的に分析することで、国語と社会、両方の理解を深めることができます。
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