新NISA制度が2024年からスタートし、2つの非課税投資枠「成長投資枠」と「つみたて投資枠」を自由に使い分けられるようになりました。中でも楽天証券ユーザーから多く寄せられているのが、「現在成長投資枠で保有している銘柄を、つみたて投資枠に移行できるのか？」という疑問です。この記事では、その仕組みと実際の操作について分かりやすく解説します。
新NISA制度における2つの投資枠の違い
まず、制度上の基本を押さえておきましょう。
- 成長投資枠：年間240万円まで。株式やアクティブファンドなど幅広く対象。
- つみたて投資枠：年間120万円まで。長期積立に適したインデックス型ファンド中心。
どちらも合計で生涯1,800万円までの非課税投資が可能ですが、一度どちらかの枠で購入した商品は、後から別の枠に“移行”することはできません。
成長投資枠の商品を積立枠へ「移す」ことはできない
楽天証券などの証券会社では、枠の選択は「購入時」に確定します。たとえば、あるファンドを成長投資枠で買った場合、その保有資産自体を積立投資枠に移すことはできません。
つまり、すでに成長投資枠で購入済の資産はそのまま成長投資枠にとどまり続けるのが原則です。
枠を変更するという操作は「今後の買付分」に適用されるため、「これまでに買った資産」は売却しない限り移行できません。
積立設定での枠変更は「今後の買付」にのみ適用
楽天証券では、積立設定画面で「成長投資枠」または「つみたて投資枠」の選択が可能です。ここで枠を切り替えると、次回以降の買付分から新たに指定した枠で購入されます。
したがって、これまで成長投資枠で積立していた同じファンドでも、積立設定を変更すれば、今後はつみたて投資枠での買付が可能になります。売却や資産の移動は行われません。
実際の操作例（楽天証券の場合）
楽天証券での積立枠変更は以下の手順で行います。
- 楽天証券にログイン
- 「NISA（成長・つみたて）」メニューを選択
- 対象の積立設定をクリック
- 「投資枠を変更」から「つみたて投資枠」を選択
- 次回買付日以降、つみたて枠で買付が実行
注意点として、枠変更を行っても過去の購入分は枠移動されないことを理解しておきましょう。
売却して再購入する方法は非現実的
理論上、成長投資枠で保有中の商品を一度売却し、つみたて投資枠で再度買い直すという手段もあります。しかし。
- 売却益に課税は発生しない（NISA内）
- 売却した分の非課税枠は再利用できない（新NISAでは非課税枠は売却しても復活しない）
- 市場価格の変動リスクがある
以上の理由から、この方法はおすすめできません。
まとめ：枠の切り替えは「これからの積立」に使うもの
新NISAでは、一度使った枠と資産は原則として固定されます。すでに成長投資枠で保有している銘柄を積立投資枠に移すことはできませんが、今後の積立設定を変更することで「同じ銘柄を別の枠で新規に積み立てる」ことは可能です。
長期運用を前提に、「どの枠をどのように使うか」を計画的に設計することが、新NISA活用のカギです。
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