トルコリラの長期的な下落トレンドは、投資家の間で常に注目されています。2024年から2025年にかけての値動きを見て、「ついに底を打ったのではないか?」と考える声も増えてきました。一方で、日本円と比較しても依然として弱いという見方も根強くあります。本記事では、トルコリラの現状と日本円との相対的な位置付けを、経済指標や政策動向から多角的に分析していきます。
トルコリラの長期下落と最近の反発傾向
トルコリラは2010年代後半から深刻な通貨安に直面してきました。特にエルドアン政権下での金利政策や中央銀行の独立性が問われる中、リラは対円・対ドルで大幅に下落。
しかし2024年に入り、新しい中央銀行総裁による利上げ政策やインフレ抑制の姿勢が強まり、相場にわずかながら安定の兆しが見られます。一部では「底を打ったのでは?」との声もありますが、あくまで一時的な反発との見方も強いのが実情です。
インフレ率と政策金利の動向
トルコでは依然としてインフレ率が40〜50%台と非常に高く、中央銀行はこれに対抗するために20%台後半の高金利政策を実施しています。表面上は金利が高く見えるものの、実質金利(名目金利-インフレ率)はマイナスで、リスクに見合う投資対象としては不透明感が強いです。
また、政策の急な転換や政権の意向による為替介入など、不確定要素も多く、安定的な投資先とは言いがたい状況が続いています。
日本円との比較:どちらが強いのか?
一方の日本円も、ここ数年は低金利と財政赤字拡大により「安全通貨」としての評価に陰りが見え始めています。しかし、それでも日本円は先進国通貨としての信認が高く、通貨の信頼性や流動性の面でトルコリラより圧倒的に優位です。
つまり、リスク資産としての利回り面ではリラが有利でも、安定性・信用性の面では依然として日本円が強いと評価できます。
実例で見るトルコリラ投資の現実
2023年にトルコリラ/円が5円を割り込んだ際、スワップ狙いの個人投資家が大量に買いを入れました。確かに一時的にはスワップポイントで利益を得られましたが、2024年には為替差損がスワップ益を上回るケースが続出しました。
このように、短期で見ると魅力的でも、中長期では損失を被る可能性が高いことがトルコリラ投資の難しさです。
底打ち判断にはまだ早い?リスク要因を再確認
今後もリラが底堅く推移するには、継続的なインフレ抑制と金融政策の安定、さらに政治リスクの低下が必要です。現時点ではこれらの要素が十分に整っているとは言い切れません。
また、新興国通貨の宿命として、外的要因(米国の金利、地政学リスク)にも大きく左右されるため、慎重な判断が求められます。
まとめ:トルコリラ投資は慎重に。円との比較で冷静な判断を
トルコリラが底打ちしたかどうかは明確ではなく、多少の反発が見られても、それをもって安定通貨と判断するのは尚早です。日本円と比較すると、依然として日本円の方が通貨としての信頼性が高く、安全資産として優れています。
高利回りを求める投資家にとってトルコリラは魅力的に映るかもしれませんが、リスクとリターンをしっかり見極めた上で、分散投資の一環として検討するのが賢明です。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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