FX(外国為替証拠金取引)は「相対取引(OTC取引)」として分類されますが、その仕組みについて正しく理解していないと、実際の取引で戸惑う場面もあるかもしれません。この記事では、FXがどのように売り手と買い手をマッチングしているのか、そして注文数量が価格に与える影響について詳しく解説します。
FXは相対取引。つまり取引所を通さない
FXは証券取引所を介さずに、FX会社(ディーラー)とユーザーが直接取引する「相対取引(Over The Counter:OTC)」です。つまり、取引の相手は「市場」ではなく、多くの場合はあなたが使っているFX会社です。
例えばあなたが米ドルを買う注文を出すと、その注文はFX会社が内部で受け、場合によってはカバー取引としてインターバンク市場に発注されますが、あなたの視点ではFX会社が売り手のように見える構造です。
買いたい量と売りたい量が違うときは?
たとえばあなたが「10万通貨のドルを買いたい」と注文を出しても、その時点で同じ価格で「10万通貨売りたい」という注文が市場にないこともあります。FX会社はその流動性を補うために「プールされた注文」や「カバー先」といった仕組みで差分を吸収します。
そのため、小口(1〜10万通貨)の取引であればほとんどの場合、即時に約定されますが、極端に大きな取引や相場が急変している時などは、スリッページ(約定価格のずれ)が発生することがあります。
実際のマッチングはどうなっているのか
多くのFX会社は、ユーザー同士の注文を内部的に相殺(マッチング)させる「ディーリング方式(A-BookまたはB-Book)」を採用しています。
A-Book方式では、注文はそのままインターバンク市場へ流され、B-Book方式ではFX会社が顧客と反対ポジションを取ります。どちらにせよ、個々の注文が直接どこかの「誰か」とマッチングしているというよりは、システムが合計注文量を調整しながら処理している形です。
流動性とは「市場の深さ」のこと
「流動性がある」とは、売買希望者が多く、取引量が豊富であることを意味します。ドル/円やユーロ/ドルのような主要通貨ペアでは非常に流動性が高く、多少の注文量の違いは価格に大きな影響を与えません。
逆に、マイナー通貨ペア(例:南アフリカランド/円など)は流動性が低く、大量注文が価格を押し上げたり押し下げたりする要因になることがあります。
取引量と価格変動の関係
FXにおいても「板(オーダーブック)」の概念が存在します。買いと売りの注文が並び、それらの価格と数量の関係でスプレッドや価格が形成されます。
あなたの注文が大きすぎて「その価格にある売り注文を超える」場合、次の価格帯にある注文とマッチングすることになり、結果的に希望よりも不利な価格で約定する場合があります(これをスリッページと言います)。
まとめ:FX取引の裏には複雑なマッチングロジックがある
FXは「誰かが売っているから買える」「誰かが買うから売れる」というよりも、FX会社を介して複数の注文がバランスされる仕組みです。特に大きな取引になるほど、相場への影響や価格の滑り(スリッページ)も意識する必要があります。
注文の仕組みや市場の構造を理解することで、FX取引に対する不安や疑問を減らし、より戦略的に取り組めるようになります。

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