物価が高騰し、生活費の実感が重くのしかかる中、「なぜ日銀は金利を上げないのか?」という疑問が広がっています。円安、公定歩合0.5%、米価2倍、エンゲル係数上昇と、今の日本経済は生活者に厳しい状況です。本記事では、現在の金融政策の背景と、それが家計や老後生活に与える影響をわかりやすく解説します。
インフレでも金利を上げない日銀の背景
日本銀行は2024年3月にマイナス金利を解除し、政策金利を0.1%から0.5%程度に引き上げましたが、それ以降は据え置かれています。
欧米が5%前後の利上げを進める中での据え置きには、日本特有の事情があります。物価は上がっても賃金上昇が追いついておらず、急激な金利引き上げは住宅ローン・企業投資・国債利払いに大きなダメージを与えるからです。
エンゲル係数の上昇と生活実感の乖離
2025年4月の総務省家計調査では、エンゲル係数が43年ぶりに高水準を記録しました。エンゲル係数とは、家計支出に占める食費の割合を示す指標で、一般にこれが高いほど生活に余裕がないことを意味します。
米や卵などの基礎食品が2倍以上に値上がりした家庭では、日常生活の圧迫感は極めて強いものとなっています。
なぜ円安が物価高を引き起こすのか
現在の円安は1ドル=160円台と、過去30年で最も円の価値が低い水準です。これは輸入品の価格を押し上げ、エネルギーや原材料、食品の価格に直接波及しています。
この円安の背景には、日銀の低金利政策と、米国との金利差拡大があり、金融政策の「副作用」としての円安物価高が起きているとも言えます。
老後2,000万円では足りない?物価高が直撃する資産形成
政府がかつて発表した「老後2,000万円問題」は、今では物価高を受けて「3,000万円必要」と言われることも。
しかし、実質賃金は低下傾向にあり、若年層・中年層ともに「貯金ができない」という状況が続いています。
固定費(家賃・電気・通信)や食費の高騰により、可処分所得が削られ、生活水準の維持すら困難になる家庭が増加しています。
金融政策と財政構造:なぜ利上げできないのか
日銀が金利を簡単に引き上げられない理由のひとつに、政府の債務があります。日本の国債残高は1,000兆円以上にのぼり、金利が1%上がるだけで利払い負担が年間10兆円規模で増加します。
そのため日銀は、「財政負担を避けるための抑制的な金融政策」を選ばざるを得ないという、政策のジレンマを抱えています。
生活防衛策:家計はどう対処すべきか
- 変動金利ローンは見直しを検討:金利上昇時の影響を事前に把握する
- インフレ耐性のある資産(例:株式・外貨建て資産)の分散保有
- 節電・自炊・保険見直しなどで可処分所得の確保を
今後の物価と金利の動向を意識しつつ、早めの資産対策・生活設計が求められます。
まとめ:金利据え置きは生活に“無関係”ではない
・日銀が金利を上げない背景には「景気回復途上」「財政圧迫懸念」など複雑な要素が絡んでいます。
・その一方で、円安・物価高・エンゲル係数上昇と、生活の負担感は年々増しており、実質的な生活水準は下落傾向です。
・老後資金や住宅ローンに備え、個人としても「インフレ時代の防衛策」を真剣に考える必要があります。

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