全世界株式に分散投資できる「オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)」は長期投資に適した人気の投資信託です。しかし、暴落時にはどれほどの下落を想定しておくべきなのか、不安に感じる方も多いでしょう。ここでは、歴史的データと実例をもとに、暴落時のシナリオと心構えを解説します。
リーマン・ショック級で「半分に下落」は想定範囲内
過去の世界的な金融危機では、株式市場はおおよそ30〜50%の下落を経験しています。特に2008年のリーマン・ショックでは、米国のS&P500指数がピークから約57%下落しました。オルカンも主要国株式に広く分散されているため、同様に40〜50%の下落は十分に想定しておくべき範囲です。
実際、2020年のコロナショックではオルカンの基準価額も約30%前後下がりましたが、その後1年半ほどで元の水準を超えるほど回復しました。
「10分の1」まで下がるリスクはあるのか?
理論上、世界の株式市場が壊滅的なダメージを受けた場合には、インデックスが90%以上下落することも不可能ではありません。しかし現実的には、S&P500やMSCI ACWI(全世界株価指数)が10分の1まで暴落した例は過去100年以上の歴史でも確認されていません。
例えば、1929年の世界大恐慌時にはダウ平均が約89%下落しましたが、それは極めて例外的なケースで、回復には20年以上かかりました。ただし、オルカンは当時の米国単一株式よりも分散性が高く、回復力も期待できます。
資産形成におけるリスク許容度の考え方
積立投資では、暴落時の含み損に耐えられるかどうかが継続の鍵になります。目安としては、「一時的に50%下がっても売らずにいられるかどうか」を基準にリスク許容度を判断しましょう。
もし暴落で含み損に耐えられないようであれば、リスク資産の割合を減らす、または債券・現金とのバランスを見直すことが重要です。
下落時の積立継続はリターン向上のチャンス
暴落時は精神的に不安になりますが、長期投資の観点ではむしろ積立継続がリターンを高めるチャンスとなります。価格が下がることで同じ金額でも多くの口数が購入でき、後の回復局面で大きな利益となります。
たとえば、コロナショックのような急落時に積立を止めなかった人は、短期間で大きな含み益に転じたケースも珍しくありません。
投資前に考えるべき「最悪シナリオ」シミュレーション
実際の想定としては、以下の3段階でリスクシナリオを考えておくと安心です。
- 軽度の調整局面:10〜20%の一時的下落
- 中程度の暴落:30〜50%の下落(5年以内に回復)
- 最悪シナリオ:70%以上の下落(リーマン級を超える経済崩壊)
これらを理解したうえで、毎月の投資額や資産配分を見直すことが、ストレスなく長期運用を続けるポイントです。
まとめ:暴落は避けられないが、備えで乗り越えられる
オルカンのような世界分散型インデックスファンドでも、暴落時には50%程度の下落を想定しておくのが現実的です。10分の1まで下がる可能性は極めて低いですが、ゼロではありません。
重要なのは、リスクを「正しく知る」ことと、「感情に左右されずに継続できる仕組み」を作ることです。長期で見れば、暴落もまた資産形成のチャンスになる可能性があることを忘れずに、冷静な運用を心がけましょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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