NISAで資産形成が進むと、その資金を活かして不動産投資へステップアップしたいと考える方も増えています。ただし、NISA口座内の資産を現金化して一時的に「見せ金」とし、購入後にまたNISAへ資金を戻すという戦略には注意点が多く存在します。本記事では、この考え方の現実性とリスク、代替策を解説します。
NISAの資産を現金化する前に知るべき基本
NISA(少額投資非課税制度)は、非課税の恩恵を最大化することが本来の目的です。現金化すると、その分は課税口座へ移動した扱いとなり、再びNISA枠へ戻す場合は枠を消費します。
つまり、一度出した資金は非課税枠の再利用ができないため、税制面で損をする可能性が高いのです。
例:300万円のNISA資産を売却→不動産へ→再度300万円をNISAへ入れたい→年間投資枠の上限内でしか戻せない=時間ロス+機会損失
不動産投資でよくある「見せ金」の誤解
ローン審査で求められる資金は「見せ金」ではなく、返済能力の証明です。一時的に預金を厚くし、審査後すぐ資金が消えると評価が悪くなり、最悪の場合ローン取消のリスクもあります。
また、投資用不動産は諸費用や空室リスク、修繕負担が大きく、手残りがマイナスになる事例も少なくありません。
不動産投資で想定すべきリスク
- ローン金利上昇で収益悪化
- 空室期間が伸びると赤字
- 修繕積立不足で突然の支出
- 価格下落で売却損が発生
不動産は流動性が低く、NISAでの資産形成と比べて資金拘束が大きくなります。
NISA資産を崩した場合の機会損失
長期投資における複利効果を失うことは最大のデメリットです。特にインデックス投資では、保有期間の長さが利益に直結します。
例:300万円を年利5%で20年運用→約795万円に成長
→途中で現金化=この成長の権利を放棄
戦略を成功させるための代替案
NISAを崩さずに不動産投資を検討する方法があります。
- 自己資金とは別枠で頭金を準備する
- ローン返済余力を高める収支管理
- REIT投資を活用して小口から不動産収益を狙う
- 金利が低い時期にローンを組む計画
特にREITなら流動性が高く、少額から始められるため、NISAとの相性が良い選択肢です。
まとめ
NISA資産を現金化して見せ金として不動産を買う戦略は、非課税メリットの喪失・ローン審査リスク・資金拘束など多くのデメリットを伴います。資産の性質を理解し、NISAは長期成長、不動産は安定収入と役割を分けて活用することが賢い選択です。資産の柱を増やすなら、まずは堅実な計画と専門家への相談を検討しましょう。
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