資産運用において、金や銀などの貴金属に注目が集まることは珍しくありませんが、近年では「白金族金属(PGM)」と呼ばれるロジウム・イリジウム・ルテニウム・オスミウムにも投資対象としての関心が高まっています。この記事では、それぞれの金属の特徴と、資産分散の観点からの有効性について詳しく解説します。
白金族金属とは?
白金族金属(Platinum Group Metals:PGM)は、プラチナをはじめ、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム、パラジウムの6元素から構成されます。これらは希少性が非常に高く、かつ耐久性や触媒性能に優れていることから、産業用途でも広く使用されています。
例えば、ロジウムは自動車の排ガス浄化用の触媒として欠かせない存在で、イリジウムは高温耐性を持ち、航空宇宙や電気接点に利用されます。こうした背景から、供給リスクや需要変動の影響を強く受けるため、価格が乱高下することも珍しくありません。
各金属の特徴と価格変動の傾向
ロジウム:極端な希少性と産業需要から、過去に1オンスあたり3万ドルを超えたこともあるなど、価格変動が非常に激しいことで知られています。
イリジウム:工業用途中心で、安定性はありますが流動性が乏しく、取引量が少ないため一度の需給変化で大きく価格が変動します。
ルテニウム・オスミウム:市場が小さく、情報も限られているため、価格推移の予測が難しいですが、研究開発やテクノロジー分野での潜在的需要は評価されています。
資産分散・リスクヘッジの観点からの位置付け
これらの白金族金属は、他の資産クラスと価格相関が低く、特に株式市場が混乱した局面では、価値保存資産としての役割を果たす可能性があります。したがって、ポートフォリオに占める割合を抑えつつ、資産の一部として組み込むことは、リスク分散の一環として「あり」だと言えます。
ただし、市場規模の小ささや流動性の低さにより、短期的な売買を目的とした投資には不向きであり、長期保有前提のスタンスが求められます。
実際の投資方法と注意点
ロジウムやイリジウムなどはETFなどの上場金融商品が少なく、現物購入が基本です。取引は専門業者を通じて行う必要があり、保管コストや売買スプレッドが大きい点にも注意が必要です。
一部ではロジウムに連動したETF(例えば南アフリカなど)が存在しますが、流動性や価格連動性の観点で金や銀とは大きく異なります。投資前にそれぞれの市場性・税制・取り扱い金融商品を確認することが大切です。
リスクとリターンのバランスを考える
白金族金属は魅力的な希少資源である一方で、情報の透明性が低く、価格変動が大きい点から、ハイリスク・ハイリターンの性質を持ちます。したがって、全体ポートフォリオの中で5~10%以内に抑えるような戦略的な振り分けが望ましいでしょう。
また、情勢によって需給が一変する可能性があるため、常に情勢や産業動向をフォローすることが、リスク管理のうえで重要です。
まとめ:ロジウムやイリジウムは資産分散に「活かせる」選択肢
白金族金属への投資は、リスクヘッジ・資産防衛のひとつとして魅力があり、長期目線の分散投資には一定の有効性があります。ただし、取引の難しさや市場の未成熟さから、過度な投資は避け、他の資産(株式・債券・金など)とのバランスを図ることが重要です。
経済情勢が不透明な今だからこそ、代替的な資産の活用を考えるタイミングです。白金族を選ぶ場合は、慎重なリサーチと堅実な配分で、ポートフォリオの強化を図っていきましょう。

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