NISAは投資初心者から経験者まで幅広く利用されている非課税制度ですが、iDeCoなどの年金制度と違い「スイッチング」という仕組みがあるのか気になる人も多いでしょう。この記事では、NISAにおける商品の入れ替え(スイッチング)の可否や、実際に運用する際の注意点を具体的に解説します。
NISAにおける「スイッチング」とは?
投資の世界でスイッチングとは、保有している金融商品を売却し、その資金で別の商品を購入することを指します。iDeCoでは制度上「スイッチング」という呼び方で手続きが用意されていますが、NISAではそのような仕組みは設けられていません。
つまりNISAでは、「売却」→「新しい商品を購入」という流れを自分で行う必要があります。これが実質的にスイッチングに相当します。
売却と再投資の流れ
NISA口座で保有商品を売却すると、その分の非課税投資枠は使ったままになります。新しい商品を購入する場合には、その年の残りの非課税枠を利用して投資する形になります。
例えば年間120万円の枠を使ってA社の投信を購入し、その後売却して別の商品を買いたくなっても、売却によって非課税枠が復活するわけではありません。この点がiDeCoとの大きな違いです。
スイッチングを行うメリットと注意点
スイッチングに相当する売却・再購入を行うメリットは、市場環境の変化に応じて資産を柔軟に入れ替えられることです。例えば、株式市場が不安定になったタイミングで債券型やバランス型に切り替える、といった戦略が可能です。
ただし注意点として、非課税枠が復活しないため、何度も頻繁に入れ替えを行うと、長期で見たときに非課税の恩恵を十分に活かせない可能性があります。
実例で考える:NISAでの商品の入れ替え
例1:つみたてNISAで株式インデックスを保有→不安定さを感じて売却→その年の残り枠で債券インデックスを購入。→事実上のスイッチングになるが、売却分の枠は戻らない。
例2:一般NISAでETFを100万円分購入→半年後に売却して80万円になった→新たに投資する場合は、その年の残りの非課税枠がある範囲で再投資可能。
このように「スイッチング的な行動」はできるものの、制度上の枠組みが違う点を理解しておく必要があります。
長期投資とスイッチングのバランス
NISAは非課税で長期投資を行うことに大きな強みがあります。そのため、基本的には短期的な入れ替えを繰り返すよりも、低コストで分散された商品を長期保有する戦略が推奨されます。
一方で、人生のライフイベントやリスク許容度の変化に応じて、一度のスイッチングを行うことは合理的な判断ともいえるでしょう。
まとめ:NISAでは「制度上のスイッチング」は不可
結論として、NISAにはiDeCoのようなスイッチング制度はありません。しかし、売却と再投資によって実質的な入れ替えは可能です。ただし非課税枠は復活しないため、頻繁な入れ替えは不利になりがちです。
長期投資を基本に据えつつ、必要に応じて一度の入れ替えを検討する——これがNISAを賢く使うためのポイントといえるでしょう。

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