国債は比較的安全な資産とされ、多くの投資家や金融機関に保有されていますが、金利(政策金利や市場金利)が上昇すると、その価格が下落し売られやすくなる傾向があります。この記事では、なぜ利上げが国債売りにつながるのかをわかりやすく解説します。
金利と国債価格の逆相関の基本
国債の価格と金利(利回り)は逆の関係にあります。市場金利が上がると、既存の低い利率の国債の魅力が下がるため、価格も下がります。たとえば、利率1%の国債を保有しているとき、市場金利が2%に上がれば、新たに発行される国債のほうが魅力的になります。
結果として、既存の1%国債を売る人が増え、価格は下がるのです。このような動きが「国債が売られる」と表現されます。
具体的な数値で見る金利と価格の関係
たとえば額面100万円、利率1%、10年満期の国債があるとします。毎年の利息は1万円です。
市場金利が2%になれば、同じ100万円で年間2万円もらえる国債が新たに登場します。1万円の利息しかない既存の国債は、価格を下げなければ買い手がつかなくなります。結果、たとえば価格が95万円程度まで下落することがあります。
利上げ局面ではなぜ売りが出るのか
投資家は利上げが見込まれると、将来の金利上昇で国債価格が下がると予測し、保有している国債を早めに売却しようとします。これが利上げ局面での売り圧力を生む主な要因です。
特に短期の国債より長期の国債は金利の影響を強く受けるため、利上げが示唆されると長期債から売られやすくなります。
市場の期待と国債価格の動き
実際に金利が上がる前から、将来の利上げを織り込んで国債は売られ始めます。これを「期待インフレ」や「先読みの売り」と呼びます。中央銀行の発言や経済指標が材料となり、投資家の行動を左右します。
例:アメリカのFRB(連邦準備制度)が利上げを示唆すると、数日以内に米国債の価格が下がることがあります。
まとめ
利上げによって国債が売られるのは、金利と国債価格の逆の関係があるためです。金利が上がると新しい国債の利回りが魅力的になり、既存の国債の価値が相対的に下がってしまいます。こうした動きを理解することで、金利政策が市場に与える影響を正しく読み解けるようになります。

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