かつては「物価の優等生」とも呼ばれていた鶏卵。その手頃な価格と安定供給で家計の味方として重宝されてきました。しかし、ここ1〜2年で価格は大きく上昇し、現在では10個入りで税込330円という高値で安定している状況です。本記事では、鶏卵の価格がなぜ戻らないのか、そして今後も高値が続く可能性について詳しく解説します。
価格が上昇した背景:飼料価格と鳥インフル
鶏卵価格が急騰した大きな要因は、鶏の飼料価格の高騰と、鳥インフルエンザの大流行です。特に2022年以降、世界的な穀物価格の上昇や円安の影響で、トウモロコシなどの飼料価格が大幅に上がりました。
また、日本全国で鳥インフルエンザによる殺処分が相次ぎ、採卵鶏の供給が大きく減少。供給不足とコスト増が重なったことで、価格が一気に上昇したのです。
250円が採算ライン?過去の予測はどうだったか
2022年にNHKのクローズアップ現代でも取り上げられたように、専門家の間では「10個あたり250円」が持続可能な採算ラインだと分析されていました。当時は一時的な高騰とみられ、「落ち着けば250円に戻る」との見解が主流でした。
しかし、実際には供給体制の回復が進まず、加えて人件費・光熱費などの固定費も上昇し続けており、結果として250円では持続できない価格構造が定着しつつあります。
価格が下がりにくい構造的な理由
一度上昇した価格は、コストが構造的に増加している場合、なかなか下がりません。特に現在は、生産者側も経営の安定化を図るため、一定以上の価格帯を維持する傾向が強くなっています。
また、流通業者や小売店も高値での仕入れ価格を販売価格に転嫁せざるを得ず、競争原理だけで価格が下がる状況にはないのが現実です。
海外との価格比較と今後のトレンド
実は日本の鶏卵は、世界的に見るとまだ安価な部類に入ります。欧米では10個で約400〜500円が一般的で、サステナビリティや動物福祉の観点から平飼い・有機卵の導入が進んでおり、価格も上昇傾向にあります。
今後、日本でも同様の動きが強まる可能性があるため、300円前後の価格帯が新たなスタンダードとなる可能性も否定できません。
家計への影響と節約のヒント
卵は毎日の食卓に欠かせない食材の一つです。高値が続くと家計にとっては痛手となりますが、スーパーの特売日を活用したり、地元の直売所などで購入するなどの工夫でコストを抑えることも可能です。
また、業務スーパーやまとめ買いを活用して、1個あたりの単価を下げる方法もおすすめです。
まとめ:鶏卵価格の高止まりは続く可能性が高い
鶏卵価格は今後も高値圏での安定が続く可能性が高く、「10個250円時代」に戻ることは短期的には難しいと考えられます。背景には飼料価格や労働コストの上昇、供給体制の変化など、複数の構造的な要因があります。
消費者としては価格動向に注視しつつ、柔軟な買い方で賢く対応していくことが求められています。

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