資産運用の失敗と鬱病に悩むシニア世代へ。お金と心の不安に向き合うためにできること

資産運用、投資信託、NISA

資産運用での失敗や病気、無職状態、将来の生活費への不安——それらが重なると、心と体が動かなくなってしまうのは決して珍しいことではありません。この記事では、退職後に資産を失い、鬱病と向き合いながら将来への不安に苦しむ方へ、現実的に少しずつ前を向くための道筋と支援について解説します。

資産運用の失敗は誰にでも起こりうること

市場の動きは予測不可能であり、どんなに知識があっても「思い切って損切りしてしまった」「恐怖から手放してしまった」といった判断は人間らしい反応です。退職金の運用で損を出してしまったことは、責めるべき過ちではありません。

350万円の損失は確かに大きく感じられますが、「失った金額=失った価値」ではありません。残った資産と今後の生活資金に焦点を当てて、今あるものをどう守るかに気持ちを向け直すことが大切です。

鬱病による無気力と生活困難に向き合うには

鬱病になると、現実の重さが心身にのしかかり、日常生活の些細なことすら負担になります。郵便物の確認、風呂に入る、外出する——どれも鬱状態では難しいのが普通です。

まずは「できていないこと」ではなく、「今も何とかやれていること」に目を向けてください。たとえば、毎日スーパーに外出できていることは、鬱のなかで非常に価値のある行動です。医療機関にかかれない状態でも、自宅で電話相談が可能な地域支援サービスや、訪問看護を活用できる可能性もあります。

お金の不安が鬱を悪化させるときの対策

「お金がなくなるかもしれない」という不安が強くなると、心の不調はさらに進みます。将来の生活費に対する計算がつかなくなったとき、まずは資産全体を一人で把握しようとせず、認定ファイナンシャルプランナー(CFP)など専門家に相談することが現実的な一歩です。

また、生活保護や高齢者向け福祉サービス、地域包括支援センターへの相談も選択肢です。貯金があっても「今、心身の機能が著しく制限されている」状況に対しては、国や自治体の支援が利用できる場合があります。

家族に心配をかけたくない気持ちと向き合う

「妻に負担をかけたくない」「深刻な話をできない」という気持ちはとても自然です。しかし本当に家族を守るためには、現状を共有することが必要です。小さなことでいいので、「今は○○がつらい」「一緒に郵便物だけ確認してくれると助かる」と具体的な言葉で助けを求めてみてください。

また、家族の代わりに相談できる公的機関として、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)もあります。

実際に使える支援制度と専門機関

  • 地域包括支援センター:高齢者の生活・介護・医療・お金の相談窓口
  • 訪問型の精神科診療:外出困難でも自宅に医師や看護師が訪問
  • 成年後見制度:資産管理や契約を支援してもらう制度
  • 生活保護・高齢者加算:条件により受給可能

これらの制度は、「困ってから」ではなく「困り始めたとき」から利用してもいいものです。まずは最寄りの市区町村の福祉窓口に連絡してみることが第一歩となります。

まとめ:少しでも安心を取り戻すために今できること

資産を失ったことも、鬱病に苦しんでいることも、未来が不安なことも、どれもあなただけの問題ではありません。大切なのは、「今すぐすべてを解決しようとしない」ことと、「誰かと一緒に少しずつ現実を整えていく」という姿勢です。

まずはできるだけ簡単なことから、一緒に取り組んでくれる存在を探してください。お金も心も、取り戻すことはできます。今日この記事を読んだことが、あなたの一歩になりますように。

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