「全世界株式インデックス(通称オールカントリー)」は、世界中の株式市場に分散投資できるインデックスファンドとして、長期投資家に高い人気を誇ります。特にeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)はその代表格ですが、現在はアメリカが大きな比重を占めているため、将来的に経済の勢力図が変わった場合にどうなるのか気になる方も多いのではないでしょうか。本記事では、インデックスの構成比率や国の分類がどのように変化していくのかを、投資初心者にも分かりやすく解説します。
全世界株式インデックスは「時価総額比」で構成される
オールカントリー型のインデックスは、MSCI ACWI(All Country World Index)やFTSE Global All Cap Indexなどの指数に連動しています。これらは世界の上場企業の時価総額(=企業価値)をもとに、国や銘柄の構成比率が決まる仕組みです。
そのため、現在アメリカの比率が約60%前後と高いのは、アップル・マイクロソフト・アルファベットといった巨大企業の株価が大きいためであり、市場全体における「実力」を反映した構成なのです。
アメリカが衰退すれば構成比率は自然に下がる
仮に今後アメリカ経済が停滞し、GAFAの株価が低迷すれば、インデックスにおけるアメリカの比率は徐々に低下します。逆に、中国やインドの企業が急成長し、時価総額が拡大すれば、それらの国の構成比率が上昇するというのがインデックスの自動調整機能です。
個別の判断や予想をせずとも、世界経済の構造変化に合わせて投資先が調整されるというのが、全世界株式の大きなメリットの一つです。
新興国インデックスの国の分類は変わるのか?
MSCIやFTSEなどの指数提供会社は、各国の市場流動性・情報開示・外国人投資家への開放度などをもとに、「先進国」「新興国」「フロンティア市場」といった分類を決定しています。この分類は毎年見直されるため、中国やインドが今後「先進国」に昇格する可能性は十分にあります。
たとえば、韓国は長年「先進国候補」とされており、実際にFTSEでは先進国扱い、MSCIではまだ新興国というように、分類が指数によって異なるケースもあります。分類が変われば、新興国インデックスからは除外され、先進国インデックスやACWIに含まれる位置が変化します。
実際の例:過去に先進国入りした国の変遷
例えば、イスラエルは2009年にMSCIの新興国から先進国に再分類され、以降は先進国インデックスに組み込まれるようになりました。同様に、ポーランドやカタールなども、指数会社によってはフロンティア→新興国へと昇格しています。
これらの再分類は、インデックス連動型ファンドのリバランスに影響を与えることがあり、一時的な売買が発生する場合もありますが、長期投資家にとっては自然な調整と捉えて問題ありません。
全世界株式インデックス投資は時代に合わせて進化する
オールカントリー型インデックスファンドの最大の利点は、国や企業を自分で選ばなくても、時価総額の変動に応じて自動的に最適な構成に変わっていくという点にあります。これはいわば、世界経済の縮図を持ち歩くような投資手法です。
「今はアメリカが強すぎるのでは?」と心配になることもあるかもしれませんが、構成比率が市場の現実を反映している限り、その比率は常に最適化されています。成長国が伸びれば、自然とそれが反映される設計です。
まとめ:全世界株式インデックスは柔軟な進化を続ける投資商品
将来、アメリカが衰退したり中国・インドが台頭しても、オールカントリー型インデックスの構成比率はそれに応じて変化します。また、新興国インデックスに含まれる国も、経済発展に応じて再分類され、インデックス内の国々は入れ替わっていきます。
長期投資を前提とするなら、個別の国の盛衰を予測するよりも、こうした仕組みに委ねる「時価総額加重型」の恩恵を信じて投資を続けることが、結果的にもっとも合理的な選択といえるでしょう。

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