個人向け国債などを検討していると「基準金利」と「適用金利」という用語を目にします。どちらも金利に関する情報ですが、その意味や役割は異なります。この記事では、これらの違いや仕組みを初心者にもわかりやすく解説し、どちらを重視すべきかを具体例とともに紹介します。
基準金利とは?国債金利の土台になる指標
「基準金利」とは、個人向け国債の金利を決定する上での元になる金利水準であり、金融機関が国債を購入する際の市場金利をもとに決められます。
たとえば、変動金利型の10年満期国債では、発行月の直近2回分の「利付10年国債の平均利回り」が基準金利として使われます。この基準がなければ、現在の市場金利に見合った金利水準を設定することができません。
適用金利とは?実際に受け取れる金利のこと
適用金利は、個人が国債を保有した際に実際に受け取る金利のことを指します。これは基準金利をもとに設定されますが、「最低金利の保証」や「金利の切り捨て」が反映されるため、基準金利よりやや低くなることがあります。
たとえば、変動10年の国債では、基準金利が年0.35%でも、適用金利が「年0.33%」になることがあります。これは、年0.05%の最低利率保証と、「0.01%未満は切り捨て」というルールによる調整の結果です。
金利が異なる背景には安全性と仕組みの違いがある
なぜ基準金利と適用金利が異なるのかというと、国債の設計には「個人投資家を保護する制度」が含まれているからです。
たとえば、極端に低金利の時期でも「最低金利保証(年0.05%)」があることで、銀行預金に劣らない利回りが確保されます。これは基準金利にはない、適用金利ならではのメリットです。
実際の例で比較:2024年6月発行分の場合
2024年6月の個人向け変動10年国債では、基準金利が約0.38%だったのに対し、適用金利は0.33%で設定されました。これは。
- 基準金利:市場ベースの指標(0.38%)
- 適用金利:実際に受け取れる利率(0.33%)
という差があるということです。
この0.05%の差は、最低金利の確保と切り捨て処理を含んでいる点に注意しましょう。
金利の仕組みを理解して賢く国債を選ぼう
基準金利と適用金利の違いを知ることで、今後の国債選びに役立てることができます。特に低金利時代には、「最低保証」などの制度がどのように適用金利に影響するかを確認することが大切です。
また、同じ発行回でも固定3年・5年・変動10年で適用金利が異なることもあるため、金利の差とともに運用期間・流動性も比較検討しましょう。
まとめ:基準金利と適用金利はこう使い分ける
以下のポイントをおさえておきましょう。
- 基準金利=市場を参考にした参考値
- 適用金利=実際に受け取る利率
- 適用金利は最低保証や四捨五入処理を加味して設定
- 金利差が出るのは仕組みによる安全策
- 利率だけでなく満期・換金条件も比較して選ぶのがコツ
これらを理解することで、国債の選び方に自信が持てるようになります。金利の違いに惑わされず、自分の資産運用方針に合った国債を見つけましょう。

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