S&P500に投資しているにもかかわらず、米国株価指数が上昇しているのに円ベースでは損益がマイナスになることがあります。これは「為替レート」の影響によるものです。この記事では、為替と株式リターンの関係性やドル円相場の動向によって損益がどう変化するのかを解説し、長期的に有利に投資を進めるための視点を提供します。
為替相場が投資収益に与える影響とは?
日本円でS&P500などの米国株式に投資すると、実際の利益はドル建ての変動だけでなく、円との為替レートの影響も受けます。たとえば、米株価が10%上昇しても円高(1ドル=150円→135円)に動けば、円換算の評価額は減ってしまうのです。
逆に、株価が横ばいでも円安(1ドル=130円→150円)になると、為替差益によって円ベースの評価額が上がることもあります。この仕組みを理解しておくと、損益の原因が明確になります。
S&P500がプラスでも円ベースがマイナスの理由
例えば、以下のようなケースで円ベースではマイナスになります。
- 購入時のドル円相場が1ドル=150円
- 現在のドル円相場が1ドル=135円(円高)
- S&P500が10%上昇していても、為替損が10%以上あればトータル損益はマイナスに
つまり、「S&P500のチャートが上昇=自分の資産も増える」ではないという点が非常に重要です。
ドル円レートはどの水準から有利に働く?
「どこから円安といえるか」は購入時の為替レートによって異なります。例として、購入時が1ドル=145円であれば、それ以上の円安(たとえば150円)に進むことで初めて円ベースでの利益に貢献します。
したがって、有利・不利の分岐点は「購入時のドル円レート」です。それ以下の水準で推移している場合、株が上がっていても為替差損で損失が出る可能性があります。
投資判断に為替リスクをどう組み込むべきか?
為替リスクへの対策としては以下の選択肢があります。
- 為替ヘッジ付き商品を選ぶ:為替の影響を排除できますが、コストも発生します。
- 定期積立で平均化:為替リスクを時間分散できます。
- ドル資産をドル建てで運用し続ける:あえて円に戻さず、長期保有戦略を取ることで為替変動を気にしすぎない方法もあります。
特に少額投資の場合は「短期の為替の上下に一喜一憂せず、長期でのリターンに注目する」視点が大切です。
実例:投資タイミングと為替による損益の違い
あるAさんは2022年に1ドル=135円のときにS&P500に100万円分投資。その後指数は+15%になったが、為替が125円に円高になったため、円換算の資産価値は微増程度にとどまりました。
一方Bさんは1ドル=145円のときに投資し、現在155円に円安が進行。同じ15%の指数上昇でも、為替差益も加わって大きく評価益が出ました。このように、投資タイミングの為替水準によって結果は大きく異なります。
まとめ:為替と株価の両面から損益を判断する視点を
S&P500のような外国株に投資する際は、株価の動きだけでなく「円ベースの損益」に着目する必要があります。為替レートが不利に動けば、たとえ株価が上がっていても損失となることがあります。
購入時の為替レートが損益分岐点であり、今後の為替動向によって投資成果は大きく変わります。短期的な為替の影響を気にしすぎるのではなく、長期目線で戦略を立てることが重要です。

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