株式投資において、リセッション(景気後退)時に上昇するアセットを知ることは非常に重要です。通常、景気が悪化すると株式市場は低迷しがちですが、他のアセットクラスでは値上がりする場合があります。ここでは、債券や金以外で、リセッション時に注目すべきアセットをいくつか紹介します。
リセッション時に上昇するアセットとは?
リセッション時の投資戦略としては、景気後退に強い資産に投資をすることが重要です。株式市場のように短期的に大きな変動がある市場でなく、安定的なリターンを見込めるアセットが求められます。債券や金に加えて、以下のようなアセットにも注目することができます。
1. 防衛的セクター(ディフェンシブ株)
ディフェンシブ株とは、景気に左右されにくい企業の株のことを指します。例えば、消費者必需品や医薬品などの企業は、景気後退時にも比較的安定した売上を維持します。特に、日常生活に必要不可欠な商品を提供している企業は、需要が落ちにくく、景気悪化時でも売上が安定しています。
具体的には、P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)やジョンソン・エンド・ジョンソンなどがこのカテゴリーに該当します。これらの企業はリセッション時にも比較的安定して株価が推移することが多いため、防衛的な投資対象として注目されています。
2. インフラ関連株
インフラ関連の企業も、リセッション時に注目すべき投資対象です。特に電力やガス、水道といった公共事業に関連する企業は、景気に左右されにくく、安定した需要が見込まれるため、安定したリターンを期待できます。
インフラ関連株は、景気後退の影響を受けにくく、配当利回りが高いことが多いため、長期的に安定した収益を上げたい投資家にとって魅力的な選択肢となります。
3. 不動産投資信託(REITs)
不動産投資信託(REITs)は、不動産市場に間接的に投資する方法の一つで、特にリセッション時に注目される投資対象となります。REITsは、安定した賃貸収入を得ることができる不動産に投資するため、景気後退の影響を受けにくいことが特徴です。
REITsは、商業用不動産や住宅用不動産に投資することで、分散されたポートフォリオを構築でき、リスクを抑えつつ安定したリターンを得ることができます。特に、長期的な契約が多い商業不動産は、景気が悪化しても比較的安定した収益を期待できます。
4. 高配当株
景気後退時にも安定した配当を支払う企業の株に投資することも、リセッション時の戦略として有効です。高配当株は、安定的に利益を上げている企業の株であり、定期的に配当を支払うことが多いです。これらの企業は景気悪化時でも利益を上げ続け、株主への配当を維持することができる場合があります。
例えば、エネルギーや通信などの業界に属する企業は、安定した配当を出し続けることが多く、リセッション時にも安定したリターンを期待できます。
5. 商品(コモディティ)
金や石油などの商品(コモディティ)は、リセッション時に上昇することがあるアセットの一つです。特に金は、リセッション時に「安全資産」として注目されることが多く、金融市場の不安定さが増すと、金の価格は上昇する傾向があります。
また、エネルギー関連のコモディティ(石油や天然ガスなど)も、供給不足などの要因で価格が上昇することがあるため、リセッション時に投資先として検討する価値があります。
まとめ
リセッション時に上昇するアセットとして、金や債券以外にも、防衛的セクターの株やインフラ関連株、高配当株、REITs、さらには商品(コモディティ)などが挙げられます。これらのアセットに投資することで、景気後退時でも安定したリターンを期待することができます。
投資家は自分のリスク許容度や投資目的に応じて、リセッションに強い資産を組み合わせることで、安定したポートフォリオを築くことが可能です。
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