市場に消費税が課せられた場合、消費者余剰や生産者余剰、税収などがどのように変化するのかを理解することは、経済学の基本的なテーマの一つです。本記事では、需要関数と供給関数を使って消費税の影響を計算し、消費者余剰、生産者余剰、税収、総余剰、超過負担を求める方法について詳しく解説します。
需要関数と供給関数の設定
まず、問題で与えられた需要関数と供給関数を確認します。
需要関数: D = 10 – 2p
供給関数: S = -2 + p
ここで、pは価格、Dは需要量、Sは供給量です。これらの関数を使って市場の均衡点を求めることができます。
均衡価格と均衡数量の計算
消費税が課せられる前の市場の均衡価格と均衡数量を求めるためには、需要関数と供給関数を等式で結びます。
需要量と供給量が等しくなる点、すなわち「均衡点」を求めるために、次のように計算します。
D = S
10 – 2p = -2 + p
これを解くと、p = 4(均衡価格)、Q = D(4) = 10 – 2(4) = 2(均衡数量)となります。
消費税が課せられた場合の新しい市場均衡
次に、消費税が0.5の大きさで課せられた場合、消費者と生産者の行動がどのように変化するかを考えます。
消費税が課せられると、消費者は実質的に価格が高くなるため、需要が減少します。一方、生産者は受け取る価格が低くなるため、供給が減少します。
新しい均衡価格と均衡数量を求めるためには、需要関数に消費税を反映させた新しい供給関数を使います。新しい供給関数は、税を価格に上乗せする形で表現されます。
新しい供給関数:S = -2 + (p – 0.5)
これを再び需要関数と等式で結びます。
10 – 2p = -2 + (p – 0.5)
この式を解くと、p = 4.5(新しい均衡価格)、Q = D(4.5) = 10 – 2(4.5) = 1(新しい均衡数量)となります。
消費者余剰、生産者余剰、税収、総余剰、超過負担の計算
消費税が課せられた場合、各余剰の計算方法は次の通りです。
1. 消費者余剰
消費者余剰は、消費者が支払う意欲のある価格と実際に支払う価格の差を示します。消費税が課せられた場合、消費者余剰は減少します。
消費者余剰は、需要曲線と価格線で囲まれた三角形の面積として計算されます。
消費者余剰 = (1/2) × (基準価格 – 新価格) × 新しい数量
ここでは、基準価格は消費者が支払う意欲のある価格(需要関数のy切片)であり、新価格は新しい均衡価格です。計算すると、消費者余剰は0.5となります。
2. 生産者余剰
生産者余剰は、生産者が受け取る価格と供給する意欲のある価格との差を示します。生産者余剰も消費税の影響を受け、減少します。
生産者余剰 = (1/2) × (新価格 – 基準価格) × 新しい数量
この計算により、生産者余剰は0.5となります。
3. 税収
税収は、税率と取引量を掛け合わせて求めます。
税収 = 税率 × 新しい数量
ここで、税率は0.5、新しい数量は1であるため、税収は0.5となります。
4. 総余剰
総余剰は、消費者余剰と生産者余剰を足し合わせたものです。税収も含めた総余剰の計算は次の通りです。
総余剰 = 消費者余剰 + 生産者余剰 + 税収 = 0.5 + 0.5 + 0.5 = 1.5
5. 超過負担
超過負担は、市場に消費税が課せられることによって生じる経済的な損失を示します。超過負担は、税収と総余剰を引いた差として計算されます。
超過負担 = 総余剰 – (消費者余剰 + 生産者余剰 + 税収) = 1.5 – (0.5 + 0.5 + 0.5) = 0.5
まとめ
消費税が課せられた場合、市場に与える影響は消費者余剰、生産者余剰、税収、総余剰、超過負担といった複数の指標で示されます。消費者余剰と生産者余剰は減少し、税収は増加しますが、総余剰は税収を含めても減少し、超過負担が発生します。これらの計算を通じて、消費税が経済に与える影響をより深く理解することができます。
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