本記事では、開放経済における均衡国内所得を求める方法や、限界消費性向、乗数効果など、マクロ経済学の基本的な問題の解き方について解説します。実際の数式を使って、経済モデルの理解を深めましょう。
均衡国内所得を求める方法
まず、均衡国内所得とは、国内経済が需要と供給のバランスが取れた状態での国内総所得のことです。この均衡状態では、政府支出や輸出、消費などが総需要を形成します。
均衡国内所得を求めるための基本的な式は次の通りです。
Y = C + I + G + (EX – IM)
ここで、Cは消費、Iは投資、Gは政府支出、EXは輸出、IMは輸入です。消費関数はケインズ型消費関数を使います。
消費関数と税関数の詳細
与えられた消費関数は次の通りです。
C = 0.8(Y – T) + 30
税関数は
T = 0.1Y + 25
となっており、消費は税引き後の所得に基づいています。
均衡国内所得の計算
まず、均衡国内所得Yを求めるために、消費関数C、投資I、政府支出G、輸出EX、輸入IMを代入します。
式を整理すると、次のようになります。
Y = 0.8(Y – 0.1Y – 25) + 30 + 120 + 90 + (50 – 0.12Y – 18)
これを解くことで、均衡国内所得Yを求めることができます。
限界消費性向と平均消費性向
限界消費性向(MPC)は、所得が1単位増加したときに消費がどれだけ増加するかを示します。ケインズ型消費関数において、限界消費性向は0.8となります。
また、平均消費性向(APS)は、消費と所得の比率です。平均消費性向を求めるには、消費Cを総所得Yで割ります。
乗数効果の計算方法
このモデルにおける乗数(M)は、次の式で求められます。
M = 1 / (1 – MPC(1 – t) + m)
ここで、MPCは限界消費性向、tは税率、mは輸入の感応度です。このモデルにおける乗数を計算することにより、政府支出や投資の変化が均衡国内所得にどのように影響を与えるかを理解できます。
外国の景気拡大による均衡国内所得の変化
外国の景気が拡大し、自国の輸出が80に増加した場合、均衡国内所得がどのように変化するかを求めます。
輸出(EX)の変化は、次のように式に組み込みます。
Y = 0.8(Y – 0.1Y – 25) + 30 + 120 + 90 + (80 – 0.12Y – 18)
この新しい式を解くことで、新しい均衡国内所得を求めることができます。
まとめ
この記事では、開放経済における均衡国内所得の求め方、限界消費性向や乗数効果の計算方法について詳しく説明しました。これらの基本的な経済モデルを理解することで、マクロ経済学の問題を解く際の基盤が整います。経済学を学ぶ上で、このような計算方法を正確に理解することが非常に重要です。
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