所得弾力性を求める方法:通信費の需要弾力性の計算例

経済、景気

経済学における所得弾力性は、消費者が所得の変化に対してどれくらい消費を調整するかを示す指標です。今回は、B君のアルバイト収入の増加と、それに伴う通信費の変化を元に、通信費に関する需要の所得弾力性を求める方法を解説します。

所得弾力性とは

所得弾力性(Ey)は、所得の変化に対する商品の需要の変化の割合を示します。計算式は次のようになります。

Ey = (% 需要の変化) / (% 所得の変化)

この計算式により、商品の需要が所得に対してどれだけ敏感に反応するかがわかります。Eyが1より大きければその商品は「高い所得弾力性」を持ち、1より小さければ「低い所得弾力性」と言えます。

所得弾力性の計算ステップ

ここでの問題では、B君のアルバイト収入が50,000円から70,000円に増えたことに伴って、通信費が5,000円から6,000円に増加したとあります。これらのデータを使って、通信費の所得弾力性を計算する手順を紹介します。

まずは、次の情報を確認します。

  • アルバイト収入:50,000円 → 70,000円(収入が20,000円増加)
  • 通信費:5,000円 → 6,000円(通信費が1,000円増加)

次に、所得弾力性を計算するための各パラメータを求めます。

需要の所得弾力性の計算方法

まず、所得の変化率と需要の変化率を計算します。計算式は次の通りです。

(% 所得の変化) = (新しい所得 - 古い所得) / 古い所得 × 100

この式を使って、B君の所得の変化率を求めましょう。

(70,000 - 50,000) / 50,000 × 100 = 40%

次に、通信費の変化率を計算します。

(% 通信費の変化) = (新しい通信費 - 古い通信費) / 古い通信費 × 100

これを使って、通信費の変化率を求めます。

(6,000 - 5,000) / 5,000 × 100 = 20%

これで、所得の変化率が40%、通信費の変化率が20%となりました。

所得弾力性(Ey)の計算

最後に、所得弾力性(Ey)を求めます。計算式に代入してみましょう。

Ey = 20% / 40% = 0.5

つまり、通信費の所得弾力性は0.5となります。この結果から、通信費はB君の所得の増加に対して低い弾力性(0.5)を示すことがわかります。具体的には、B君の所得が40%増加したにもかかわらず、通信費は20%しか増加しませんでした。

所得弾力性の解釈と実生活への影響

所得弾力性が0.5ということは、B君が所得を増やしたときに通信費が増える割合は、所得の増加に対して半分しか反応しないということです。これは、通信費が必須の支出であり、一定の範囲内ではあまり大きな変化がないことを意味します。

もし、所得弾力性が1を超えていた場合、B君の収入が増えることで、通信費がそれ以上に増加する可能性があります。一方、0.5という低い弾力性の場合は、収入の増加に対して比較的小さな変化しかないことになります。

まとめ

所得弾力性は、消費者が所得の増減に対してどれくらい消費を調整するかを理解するための重要な指標です。今回の計算を通じて、B君の通信費に関する所得弾力性は0.5と求められました。このように、所得の増加が必ずしも消費の大きな変化に繋がるわけではなく、支出の性質によって反応が異なることがわかります。

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