旧NISA口座から特定口座に移管された株式の取り扱いについて、特に売却益の計算方法に関して疑問を抱える投資家は多いです。この記事では、旧NISA口座から特定口座への移管時にどのように売却益が取り扱われるかについて、具体的に解説します。
1. 旧NISAと特定口座の違い
まず、旧NISAと特定口座の違いを簡単に理解しておくことが重要です。旧NISA口座では、一定の金額までの投資が非課税となり、利益に対して税金がかかりません。しかし、NISAの非課税期間が終了すると、その株式は特定口座に移管されます。
特定口座では、株式の売買による利益に対して通常通り税金がかかります。旧NISAから特定口座に移行した後は、通常の課税口座と同じ扱いになることを理解しておきましょう。
2. 旧NISA口座から特定口座への移管の流れ
旧NISAの非課税期間が終了すると、保有していた株式は自動的に特定口座に移管されます。この際、移管時点での時価が特定口座での取得価格となります。
具体的には、あなたが2019年に購入したA社の株式（100株、300,000円）の場合、2024年12月末時点で株価が500,000円に上昇していれば、移管後の取得価格は500,000円となります。つまり、特定口座内での購入価格が500,000円として扱われ、その後売却する際には500,000円を基準にして利益が計算されます。
3. 移管後の売却益の取り扱い
移管後、株式を売却する際には、特定口座の取得価格（500,000円）から実際の売却価格との差額が利益となり、その部分に対して税金がかかります。仮に500,000円で売却した場合、利益は0円となり、税金は発生しません。
また、売却益が発生した場合、その利益に対して課税されることを覚えておくことが大切です。税率は通常、譲渡所得に対して15.315%の税金が課せられます。
4. 売却時の現金受け取りについて
質問者様の疑問は、「500,000円で移管された株を売却して200,000円の現金を受け取ることができるか？」という点ですが、移管後の株は既に特定口座において500,000円で取得されたことになります。
そのため、移管後に売却する場合、500,000円を基準に売却価格を決めることになります。つまり、移管時点での時価を基に売却することとなり、売却時に200,000円の現金を受け取ることはできません。
5. NISAの非課税期間に関する誤解を避けるために
NISA口座の非課税期間は購入日から5年間であり、その後は課税口座に移行します。この点を理解していないと、NISA期間終了後に思わぬ誤解を招くことになります。非課税期間終了後は、税金がかかる通常の口座として扱われることを常に意識しておきましょう。
また、NISAから特定口座への移管時には、購入時点の株価と移管時点の株価が異なることに注意が必要です。特定口座に移行した際には、移管時点の株価が新たな取得価格となり、その後の売却時にはその価格を基に税金が計算されることを理解しておきましょう。
6. まとめ
旧NISA口座から特定口座に移管された株式は、移管時点での時価が新たな取得価格となり、その後の売却時に利益が発生すれば課税されます。移管後に売却益を得る場合、その利益に対して税金がかかることを理解しておくことが大切です。もし、売却益が出ない場合は、特定口座内での税務処理が発生しないことになります。
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