従量税による超過負担の計算方法:課税前の需要曲線と供給曲線の問題解説

経済、景気

従量税が課されると、市場における価格や取引量が変化し、その結果として経済的な損失が生じます。このような損失は「超過負担」と呼ばれ、税の影響を評価する上で重要な概念です。本記事では、課税前の需要曲線と供給曲線の関係を使って、従量税による超過負担を計算する方法について解説します。

1. 需要曲線と供給曲線の確認

まず、課税前の市場における需要曲線と供給曲線を確認しましょう。需要曲線は価格pと数量qの関係を示し、供給曲線も同様に価格と数量の関係を表します。

この記事の問題では、需要曲線は次のように与えられています。

p = 65 - 0.5q

また、供給曲線は次のようになっています。

p = 20 + q

ここで、pは価格、qは数量です。需要曲線は価格が下がるにつれて消費者が求める数量が増えることを意味し、供給曲線は価格が上がるにつれて生産者が供給する数量が増えることを示します。

2. 従量税の影響:税の導入

次に、従量税の影響を見ていきます。問題では、1単位あたりに15の従量税が課されるとしています。この税は生産者に対して課されるため、供給曲線が税の分だけ上にシフトします。

従量税が課される前の市場価格と数量を計算し、その後、税を考慮した価格と数量を再計算します。税が課されると供給曲線は次のように変化します。

p = 20 + q + 15

つまり、供給曲線が上に15シフトすることになります。

3. 新しい均衡価格と数量の計算

次に、税が課された後の新しい均衡価格と数量を計算します。従量税が課された後、需要曲線と新しい供給曲線が交わる点が市場の新しい均衡点になります。

需要曲線はそのままです。

p = 65 - 0.5q

新しい供給曲線は。

p = 35 + q

この二つの曲線が交わる点を求めるために、両方の式を等しくして解きます。

65 - 0.5q = 35 + q

これを解くと、

65 - 35 = 1.5q

30 = 1.5q

q = 20

したがって、新しい数量は20単位となり、均衡価格を求めるために需要曲線にこのqの値を代入します。

p = 65 - 0.5(20) = 65 - 10 = 55

新しい均衡価格は55です。

4. 超過負担の計算

超過負担は、課税前後での消費者の支払う金額と生産者の受け取る金額の差額から生じます。まず、課税前の均衡を求め、その後税後の市場と比較します。

課税前の均衡価格と数量は、次のように求められます。

65 - 0.5q = 20 + q

解くと、

65 - 20 = 1.5q

45 = 1.5q

q = 30

課税前の数量は30、価格は次のように求めます。

p = 65 - 0.5(30) = 65 - 15 = 50

課税前の均衡価格は50、数量は30でした。

次に、課税後の消費者と生産者の支払いの差を求め、超過負担を計算します。消費者は新しい価格55を支払い、生産者は新しい価格40(課税後)を受け取ります。

超過負担は、課税前と課税後の取引における損失から計算できます。

5. まとめ:従量税による超過負担の影響

従量税が課されることで、市場の価格と数量は変動し、経済的な損失(超過負担)が生じます。本記事では、従量税が課された場合の超過負担の計算方法を解説しました。

税の影響を正確に評価するためには、需要曲線と供給曲線の理解が不可欠です。従量税による超過負担の計算を通じて、税が市場に与える影響をより深く理解することができます。

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