ISバランスと経常収支の関係:国内貯蓄と国内投資が経常収支に与える影響

経済、景気

経済学における「ISバランス」と「経常収支」の関係は、しばしば誤解されることがあります。特に、「国内貯蓄-国内投資」と「経常収支」の一致に関しては、少し複雑であるため、理解が難しい場合があります。この記事では、ISバランスと経常収支がどのように関連しているのか、そしてその違いについて詳しく解説します。

ISバランスとは?国内貯蓄と国内投資の関係

ISバランスは、国内経済における「貯蓄」と「投資」の関係を示すものです。ISバランス論によれば、国内貯蓄が国内投資を上回ると、経常収支は黒字になるとされています。この概念は、簡単に言えば、国内で余剰の貯蓄が投資に回らず、海外に流れることを示しています。

具体的には、国内で十分に投資されない貯蓄は、海外に向かって流れ出します。これが「経常収支」と呼ばれる、国際的な資本の流れと関連しているのです。

経常収支の定義とその構成要素

経常収支は、ある国が海外との間で行う取引のバランスを示す指標です。具体的には、貿易収支(財・サービスの輸出入)、所得収支(海外投資からの利益など)、移転収支(送金など)の合計です。経常収支が黒字の場合、海外から得た収入が支出を上回っており、逆に赤字の場合はその逆となります。

経常収支における「海外から入ってくるお金」というのは、貿易黒字や所得収支で得られる収入のことを指し、これらの収支がプラスであれば、経常収支も黒字になります。

ISバランスと経常収支の一致:お金の流れの理解

ISバランスにおける「国内貯蓄-国内投資」は、国際的な資本の流れとして経常収支と密接に関連しています。簡単に言うと、国内で投資されない余剰の貯蓄は海外に流れ出し、それが経常収支に影響を与えます。

例えば、国内で貯蓄が多く、投資が少ない場合、その余った資金は海外に投資され、経常収支が黒字となります。一方、国内投資が貯蓄を上回る場合、経常収支は赤字になります。これが「ISバランス論」の基本的な理解です。

異なる視点:お金の流れと経常収支のギャップ

質問者が指摘しているように、ISバランスでは国内貯蓄が海外に流れ出す一方、経常収支では海外からの収益が国内に入ってくることになります。この一見矛盾するように見える現象を理解するためには、少し視点を変えて考える必要があります。

経常収支の「黒字」とは、あくまで貿易収支や所得収支で得られた「実際の収入」が国内に流入することを意味しています。つまり、国内貯蓄が海外に流れるとき、それは海外への投資として見なされるわけですが、その投資からの収益は再び国内に戻ってくる可能性があるため、経常収支における「黒字」と一致するのです。

まとめ:ISバランスと経常収支の関係を再考

ISバランスと経常収支の関係は、国際的な資本の流れと国内経済のバランスを理解するために非常に重要です。国内貯蓄が国内投資を上回る場合、それが海外に流れ、経常収支に影響を与えることになります。

一方で、経常収支における「黒字」は、実際には海外からの収益が国内に戻ってくることを意味しており、これらの動きは異なる視点で見る必要があります。理解を深めることで、経済全体の資本の流れをより正確に把握することができるようになります。

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