HHI(ハーフィンダール・ハーシュマン指数)とは?商業と流通の市場構造を読み解くカギ

経済、景気

企業の市場における競争状況や集中度を数値化して示す指標として、「HHI(ハーフィンダール・ハーシュマン指数)」は非常に重要です。特に商業や流通における市場の構造分析では、この指標を正しく読み取ることで、寡占の度合いや公正取引の評価、さらには競争政策の是非を判断する上での基礎となります。本記事では、HHIの基本的な意味から図の読み解き方、応用的な見方までを丁寧に解説します。

HHI(寡占度指数)の基本とは?

HHIとは「Herfindahl-Hirschman Index」の略で、市場の集中度を測る経済指標です。具体的には、市場に存在する全企業の市場占有率(%)を2乗して合計することで求められます。値は0から10,000の間に収まり、値が高いほど少数企業に市場が集中している(=寡占状態)ことを示します。

例えば、4社がそれぞれ25%の市場シェアを持っていれば、HHI=25²×4=2500となります。逆に100社がそれぞれ1%で分け合っていれば、HHI=1²×100=100です。

図の見方と重要ポイント:なぜ先生が「飛ばすな」と言ったのか

HHIの図は多くの場合、X軸に業界名や年度、Y軸にHHIスコアをとった棒グラフで描かれます。この図を正確に読み取ることにより、業界ごとの競争の激しさや市場構造の変化が視覚的に理解できます

たとえば、小売業界Aと通信業界BのHHIがそれぞれ800と3200なら、通信業界Bの方が圧倒的に寡占的であるとわかります。図の変化を年ごとに追えば、業界再編やM&Aの影響で寡占化が進んでいるかも読み取れるのです。

数値の目安:どの程度なら「寡占」なのか?

アメリカ司法省などでは、HHIの目安として次のような分類がされています。

  • 0〜1,500:競争的市場
  • 1,500〜2,500:中程度の集中市場
  • 2,500以上:高度に集中した寡占市場

この分類をもとに図を読むことで、「この業界は自由競争的」「こちらは寡占状態に近い」といった判断が論理的にできます。

商業・流通分野での応用:実例で考える

例1:コンビニ業界
主要3社で市場の80%以上を占めていると仮定すると、
シェア:40%、30%、10% → HHI=40²+30²+10²=1600+900+100=2600
→ 寡占的と判断される。

例2:ネットスーパー市場
10社がほぼ均等にシェアを持つ場合(10%ずつ)→ HHI=10²×10=1000
→ 競争的市場と判断。

このように、HHIから市場の健全性や、流通政策の方向性を読み解くことができます。

なぜプレゼンでHHIの図を重視すべきなのか

プレゼンテーションにおいてHHIの図を飛ばすことは、市場構造の核心に触れずに終わってしまうことを意味します。HHIの図を使って、「どの業界が競争的で、どの業界が支配的か」「それが消費者や企業活動にどのような影響を与えているか」を伝えることで、聴衆に具体的で説得力のある分析を提示できます。

特に商業・流通における競争環境の変化を可視化し、今後の政策提言や企業戦略の方向性を論じる上でも極めて有効な道具です。

まとめ:HHIは市場構造分析の“レントゲン”

HHI(寡占度指数)は、複雑な市場構造を数値で把握できる非常に強力なツールです。その図を理解することで、業界ごとの力関係や競争状態、企業戦略の変遷を客観的に評価できます。

プレゼンでHHIの図を使いこなすことは、論理的かつ説得力のある分析に直結します。図の数値変化や業界比較を通じて「なぜそれが重要なのか」を自分の言葉で説明できるよう準備しましょう。

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