「将来有望な企業や成長市場に投資すれば株は上がる」と思い込んでいませんか?確かに長期的に見れば成長企業の株は上がる傾向がありますが、実際の株価にはその成長性がすでに織り込まれていることがほとんどです。本記事では、株価に織り込まれる『期待』の概念や、それをどう読み解くかについて解説します。
なぜ「成長=株価上昇」とは限らないのか?
株価は企業の将来性や成長率に基づいて形成されますが、すでにその期待が株価に反映されていることが多いのです。これを「織り込み済み」と言います。
たとえば、AI企業が将来10倍の売上を見込んでいると発表すると、市場はその情報を即座に反映し、株価が一時的に跳ね上がります。しかしその後、期待を超える成果がなければ、たとえ実際に成長していても「思ったほどじゃなかった」と見なされて株価は下がることもあるのです。
「織り込み済み」の具体例
例えば、過去にテスラやZoomなどは、将来の急成長が期待されることで株価が急騰しました。しかし、決算で市場の期待にわずかでも届かない結果が出ると、大きく売られる場面がありました。
つまり、「成長の事実」よりも「期待とのギャップ」が株価に影響するという現実を理解することが重要です。
PERやPBRで期待度を測る
PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)は、市場がその企業にどれだけ期待しているかを示す指標です。PERが極端に高い企業は「将来の利益成長」を強く織り込んでいると言えます。
例えば、同業他社がPER15倍の中で、ある企業のPERが80倍なら、市場は今後の成長を非常に楽観的に見ていることがわかります。このような株は、成長が一時でも鈍化すると大きく売られるリスクがあります。
証券会社や金融庁が説明すべきでは?
現在、金融商品取引法や金融庁ガイドラインにより、金融機関は顧客に対して商品のリスクや仕組みを丁寧に説明する義務があります。ただし、「織り込み済み」という市場心理や需給に関わる情報は、法律上の義務では説明対象外とされることが多いのが現状です。
証券会社の営業担当者が「この企業は成長しているから安心です」と説明するだけで、織り込み済みのリスクを説明しない場合、投資家は不完全な判断材料で投資してしまう可能性があります。
投資判断は「期待値のギャップ」を読むことがカギ
投資で成功するためには、「成長しているかどうか」ではなく、市場の期待に対して、企業がそれを上回るかどうかを見極めることが重要です。
たとえば、ある企業が市場予想では「来期売上20%増」とされているなら、それを30%増で超えてくるような企業こそが、株価を押し上げやすい存在になります。
まとめ
株式投資において「成長している企業に投資すれば儲かる」とは限りません。株価にはすでに将来への期待が織り込まれていることが多く、実際の成長がその期待を上回るかどうかがカギです。証券会社や金融庁がすべてを教えてくれるわけではないからこそ、自らの知識と判断力が投資成功の決め手になります。

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