株式投資信託において、「買いっぱなし」で決して売却しない、いわゆる“永久保有型”の運用スタイルに関心を持つ方が増えています。長期的な資産形成を意識した投資家にとって、頻繁な売買によるコストやタイミングリスクを避けたいというニーズが背景にあります。
そもそも「売らない投資信託」はあるのか?
厳密には「一切売らない」と明言している投資信託はほとんど存在しません。しかし、売買を極力抑えて長期保有を基本方針とするファンドは存在します。代表的な例として、「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」や「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」などが挙げられます。
これらのファンドは、インデックス(指数)に連動する運用を行っており、組入銘柄の変更がある場合を除いて、基本的に売買を頻繁に行うことはありません。
ファンドマネージャーの裁量型はどうか?
アクティブファンドの中にも、特定のテーマや理念に基づき、長期保有を前提とするものがあります。例えば、「ひふみ投信」や「セゾン資産形成の達人ファンド」などは比較的売買頻度を抑えた運用を目指しているとされています。
ただし、こうしたファンドであっても、市場環境の変化や銘柄の成長性の変化に応じて売却を行うことはあり得ます。そのため、「絶対に売らない」ことを保証するわけではありません。
なぜ“売らない”ことが注目されるのか?
売却を抑えることで得られる主なメリットは以下の通りです。
- 信託報酬以外のコストが少ない
- キャピタルゲイン課税の繰延効果が得られる
- 複利効果を最大限に活かせる
これにより、長期的な資産形成において非常に有利な運用が可能になると期待されています。
「売らない」スタイルのファンドを選ぶポイント
本当に売買を抑えた投資信託を見つけるには、次の点をチェックしましょう。
- 運用報告書の売買回転率:数字が小さいほど、売買が少ないことを示します。
- ファンドの方針・理念:長期投資を掲げているか、売却の基準を明確にしているかを確認しましょう。
- 過去の運用実績:組み入れ銘柄が頻繁に変わっていないかも重要な指標です。
完全な“買いっぱなし”は現実的か?
結論として、市場参加者である以上、完全に売却を行わないという運用は非現実的です。税制対応、指数の見直し、企業の業績悪化など、ファンド側も一定の対応を迫られるためです。
したがって、現実的には「売却を最小限に抑える運用スタイル」を選択するのが現実的であり、投資方針と合致する商品を慎重に選ぶ必要があります。
まとめ
完全に「買うだけで売らない」投資信託は存在しないものの、売買を極力控える長期保有型のファンドは複数存在します。インデックス型や一部のアクティブ型ファンドが該当し、売買回転率や運用理念を基に商品選定することがポイントです。長期的視点で資産形成を考えるなら、こうしたスタイルに合った投資信託を選ぶことでリスクを抑えつつ安定的なリターンを目指すことが可能です。

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