「円は紙くずになる」は本当か?極端な為替予測とその信ぴょう性を冷静に検証する

外国為替、FX

為替相場の見通しにおいて「円が紙くずになる」「ドル円が250円になる」といった極端な予測は、一部の経済評論家から度々発信されています。その代表例が藤巻健史氏による円暴落説です。しかし、こうした主張は現実的にどれほど信頼できるのでしょうか?この記事では、極端な円安予測がなぜ話題になるのか、その背景や根拠、そして投資家としてどう向き合うべきかを丁寧に解説します。

藤巻氏の「円暴落論」とは

元モルガン銀行出身で参議院議員も務めた藤巻健史氏は、長年にわたり「日本はハイパーインフレに陥り、円が崩壊する」という主張を展開してきました。彼は特に日本の財政赤字や日銀の異次元緩和政策を根拠に、円の価値が失われるリスクを警鐘として鳴らしています。

2022年には「2024年までに円は紙くずになる」という発言がメディアで注目を集めました。彼の主張は一貫して「政府の財政規律が崩れれば信認が失われ、通貨危機に直結する」というロジックに基づいています。

現実との乖離と検証

2024年を過ぎた今、確かに円は歴史的な安値圏にありますが、ハイパーインフレや紙くずのような価値喪失には至っていません。たとえば、2024年末時点のドル円は一時160円台に達しましたが、それは世界的な金利差や地政学リスクによるもので、日本経済の崩壊とは無関係です。

また、円安は輸出企業にとってプラスに働く面もあり、すべてが危機というわけではありません。冷静に見れば「予測の外れた極論」とも取れます。

なぜ極端な予測が話題になるのか

極端な主張は、人々の不安や注目を集めやすいため、メディア露出が増える傾向にあります。特に日本の将来に悲観的な層には響きやすく、YouTubeやSNSで拡散されやすいのです。

しかし、実際の市場では、機関投資家やプロのトレーダーは「極端な予測」ではなく「複数のリスクシナリオ」を前提にポジションを調整しています。

過去にもあった極論の外れた例

2000年代には「アメリカはデフォルトする」との予測もありましたが、結局起こりませんでした。同様に「中国経済は崩壊寸前」という主張もたびたび出ますが、根拠の薄いものが多くあります。

投資判断を極論に基づいて行うのは、かえってリスクを高める原因になります。多様な情報に触れたうえで、リスクを織り込んだ中庸的な判断が求められます。

極論に振り回されない資産防衛の考え方

円安に備える手段は、外貨建て資産の分散や金などの実物資産への投資など現実的に取れる選択肢がいくつもあります。極論ではなく、徐々に影響するシナリオをベースにポートフォリオを組むことが重要です。

「万が一のリスク」には備えつつも、「今ある現実」を見据えて冷静な判断をすることが、長期投資では鍵となります。

まとめ:過激な主張よりも、実践的なリスク管理を

藤巻氏のような「円は紙くずになる」といった主張は、一定の論理に基づいてはいますが、実際の経済や為替の動向とは必ずしも一致しません。極端な予測に振り回されず、実証的・分散的な視点で資産を守ることが、今の時代に求められるスタンスといえるでしょう。

外国為替、FX
最後までご覧頂きありがとうございました!もしよろしければシェアして頂けると幸いです。
最後までご覧頂きありがとうございました!もしよろしければシェアして頂けると幸いです。
riekiをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました